環境側
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/08 14:42 UTC 版)
環境(電解液)側の影響因子として、電解液の電気伝導率がある。電解液の電気伝導率が高いほど、異種金属接触腐食が促進する。例えば、海水の電気伝導率は高く、電気抵抗が小さいため、異種金属接触腐食の影響範囲が広い。一方、淡水中の電気抵抗は海水よりも大きく、大気環境での降雨や湿気による水膜の電気抵抗はさらに大きい。そのため、これらの環境では異種金属接触腐食が進むのは接触部近辺に限られる。ただし、全く問題ないレベルで影響が小さいわけではなく、淡水中では接触部から 100 mm 程度、大気環境の水膜では接触部から 10 mm 程度は異種金属接触腐食の影響が考えられる。 電気伝導率の他には、電解液の溶存酸素濃度も影響する。電解液の溶存酸素濃度が高いほど、カソード側で起きる酸素還元反応の速度が高くなり、異種金属接触腐食が促進される。異種金属接触腐食を抑制するには溶存酸素濃度を低くすることが有効で、例えば、水道水を脱気して溶存酸素濃度を下げると異種金属接触腐食が抑制できる。このため、冷温水の密閉系配管では、鋼管と銅合金製継手を絶縁無しで接続できる。
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