狙撃戦術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 07:20 UTC 版)
狙撃は特定の目標に対して致命的な攻撃を行うことができる。敵の人員のうち特に指揮官、通信兵、機関銃手など重要目標を狙い撃ち、敵の戦闘力を削ぐ。同時に敵全体にプレッシャーを与え、行動を制限すると共に士気を低下させる。 一般的な小銃の有効射程が600メートル程度であるのに対し、狙撃銃は1キロメートルを超える射程を有するものが多い。アフガニスタン紛争では、オーストラリア軍の狙撃手が2815メートルにも達する狙撃を成功させており、2015年7月時点ではこれが世界最長の狙撃距離となっている。2017年6月23日、カナダ軍特殊部隊は、狙撃兵が3540メートル離れた距離から、マクミランのライフル銃「TAC-50」を使用し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の戦闘員を狙撃することに成功したと発表した。狙撃成功は世界最高記録となる。 軍隊以外でも、特に警察の特殊部隊においては人質救出時に犯人を狙撃して無力化することにより、突入後に銃撃戦を行って人質を傷つける危険性を減らすことができるため、狙撃手を養成している部隊もある。 また内戦や地域紛争においては、交通の要衝や生活の拠点(井戸など)を狙えるポイントに狙撃手を隠して配置し、その地点を利用する一般住民を無差別に標的とした(市民生活を妨害・萎縮・圧迫させる)狙撃作戦が実行される事例(ユーゴスラビア紛争・ISIL)もある。
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