特定環境への依存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:24 UTC 版)
「デジタル著作権管理」の記事における「特定環境への依存」の解説
DRMはデータとそのデータを再生するプレイヤーソフトの双方が対応していて初めて実現できるしくみであることから、特定のソフトウェアに依存したものになりやすい。現在、Yahoo動画、GyaO!、DMM、BIGLOBEストリーム(みんなでBIGLOBEストリームを除く)など様々な動画サイトでWindowsメディアテクノロジーに拠るDRMが採用されており、それらのサイトはLinux、macOSでは視聴できない。逆に、QuickTimeに依存したDRMを採用しているiTunes Storeで購入したDRM付き音楽は、QuickTimeをインストールしていないWindowsでは視聴できない。 このように、各種のDRM技術は特定のソフトウェアに依存し互換性が無いことから、消費者は特定のソフトウェアを選択せざるを得なくなる。また再生や閲覧のためのソフトウェアを利用できる環境についても同様の制限があり、例えばiTunesやWindows Media PlayerのDRM技術を使用するコンテンツが、OSとしてLinux等を用いるコンピュータ上で再生できないといった問題が生じる。更にDRM技術そのものが全く別のタイプに変更され、再生や閲覧のためのソフトウェアやそれを利用できる環境も変わってしまうことがある。こうした制限からDRMに対しては消費者の敬遠がみられることから、W3Cなどの業界団体が推奨するEncrypted Media Extensionsなどの特定のOSやブラウザに依存しないDRM技術を採用したり、DRM技術を一切使用せずにコンテンツの利用について広い選択肢を与えることで、消費者を取り込もうとする企業も現れている。
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