無料タクシー(むりょうたくしー)
タクシー会社のMKが名古屋市内で無料タクシーの運行を計画している。なるべく多くの人に利用してもらうため、2000円程度の距離をひとつの目安として利用を呼びかけるようだ。
無料とは言っても、来年2月までの期間限定のサービスとして実施するもの。来年2月は、ちょうどタクシー事業が自由化される時期で、異業種がタクシー事業に新規参入してくることが予想されている。自由化される前に、自社のサービスを顧客にしっかり宣伝しておきたいという狙いがある。
無料タクシーの運営自体は赤字となるが、最大で25台程度に抑えることで、会社の経営は保てると判断したようだ。
これまでは、タクシー事業に関する多くの規制があった。タクシー業界を過当競争から保護するという名目で、国土交通省(旧運輸省)の指導のもと、需給バランスの調整や運賃設定の制限が行われていた。実質的には、タクシー事業への新規参入を阻み、価格競争のない市場だったと言える。
MKは、無料タクシーの営業用ナンバープレートを申請していたが、陸運支局は受理しなかった。そこで、不受理決定の取り消しを求める訴えを起こし、名古屋地裁で勝訴判決を得た。運輸局が控訴を断念したことで、無料タクシーが実現する運びとなったわけだ。
MKの行動は、これまでにも都市部で規制ぎりぎりのサービスを提供するなど、タクシー業界に一石を投じている。規制緩和と自由化によって、タクシー会社は厳しい経営を迫られる一方、自由競争によるサービスの質の向上や適切な運賃の設定が求められることになる。
(2001.11.14更新)
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