棟梁送り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 02:31 UTC 版)
昔は上棟式の後、現場から棟梁の自宅もしくは下小屋まで練り歩く「棟梁送り」が行なわれていた。自宅では宴席が設けられ、職人たちには祝儀がふるまわれた。また、棟上式で祝宴を済ませた棟梁を家まで送って行くことや、棟梁をねぎらう祝宴自体を指すこともあった。大工送りとも言った。棟上式に使った両矢(鬼門の邪鬼を払うために飾る破魔矢)・幣串(上棟記念に棟に飾る祝い柱)・供物・酒肴などを建主からもらって帰ることから、「矢送り」とも言った。 多くは、荷車に施主から贈られた米や餅、酒、肴などを載せ、木遣などを歌いながら大勢で棟梁を家まで送るが、鳶がそれを取り仕切る地方もあれば、米俵の上に棟梁をまたがらせたり、道中見物人に餅を撒いたりと形式は地方によってさまざまだった。柳田国男は、棟上式に集まった親戚知人らが棟梁に従って新築の家を3回まわり、そのあと家の図面を書いた板をかついで歌いながら棟梁を送る様子や、棟梁宅に持ち込まれた酒樽や米俵を家の前にしばらく飾っておく話などを記している。
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