曲がったトランペット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 00:18 UTC 版)
「ディジー・ガレスピー」の記事における「曲がったトランペット」の解説
途中から折れ曲がってベルが宙を向いたトランペットはガレスピーのトレードマークであったが、彼がこのようなトランペットを使うようになったのはビバップ期よりもだいぶ遅れた1950年代中期のことである。 1954年、パーティの席での痴話喧嘩で転んだ客が、スタンドに置いてあったディジーのトランペットの上に尻餅をついてしまい、ベルが上向きに折れ曲がった。不機嫌になったディジーだが試しに吹いてみると音がまともに出る上、普通のトランペットよりもプレイヤー自身の耳に音が届きやすくなったことに気付いた。気をよくしたディジーは、楽器メーカーに特注して「曲がったトランペット」を作らせ、愛用するようになった。 彼はその勢いで大儲けを狙い、「曲がったトランペット」の新案特許出願に動いたが、100年以上も前に同じような出願がされていたことがわかり、落胆したという。 最晩年に使用していたトランペットは、管体部内を流れるエアの流れをスムーズにする為に、ウォーターバルブ(管内に溜まった水分を排出するバルブ)が廃される工夫がなされていた。この上向きのベルに憧れるプレイヤーも多い。ベルが上向きになっているトランペットは、アップベルという。
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