教授選
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 04:33 UTC 版)
食道噴門癌を専攻し、食道・胃吻合術を得意とする財前は「食道外科の若き権威者」と評され、手術の腕前は師である教授東貞蔵の腕を遥かに凌ぐとされた。その実力から、財前は周囲から次期教授就任を確実視されていたが、野心家であくの強い財前が、しばしば東教授を差し置いてのスタンドプレーを行ったことなどが、東の矜持を逆撫でする。 財前の存在を不快に感じた東は、退官後の自分の影響力低下を危惧する思いなどから、母校・東都大学外科教授の船尾徹に候補者の推薦を依頼、財前排除を図る動きを見せるようになる。これにより船尾の弟子にして心臓外科の大家である、東の長女・佐枝子の配偶者に期待された菊川昇が候補となり、財前を快く思わない整形外科の野坂教授も財前の前任者・葛西博司を次期教授に推し、これらが財前への刺客として送り込まれる事になる。 財前の教授就任のため、義父・又一を中心とする後援者たちは凄まじい政治工作を展開、医局員の行き過ぎた妨害作戦や病理学教授・大河内への懐柔行為などが裏目に出るなどもしたが、財前は僅差で教授選挙に勝利、念願の教授の椅子を手に入れる。
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