ぎこ‐ものがたり【擬古物語】
擬古物語
擬古物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:13 UTC 版)
鎌倉時代に入ってからも、王朝文化をなつかしむ思いから多くの物語がつくられた。前代の物語文学の伝統を受けつぐものとしては擬古物語がある。『源氏物語』など王朝時代の古い物語に擬して作る物語の意で、多数の作品があり、藤原定家作と思われる『松浦宮物語』、平安時代の『落窪物語』の系譜をひく継子いじめの物語『住吉物語』、『とりかへばや物語』を改作した『今とりかへばや』、また、『石清水物語』、『海人の刈藻(あまのかるも)』などが知られる。評論の嚆矢をなす後述の『無名草子』には多数の作品名が記されているが、散逸したものが多く、現存するものは少ない。一方では、激動する社会と武士の台頭を反映して軍記物語や歴史物語も多くつくられた。鎌倉時代末期になると、擬古物語は衰えをみせる。
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