技術部と補給部の独立
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「陸軍航空本部」の記事における「技術部と補給部の独立」の解説
陸軍航空本部は設立以来10年間、編制と機能に関して大きな変化はなかった。しかし1931年(昭和6年)の満州事変を契機とした情勢の緊迫により陸軍航空は拡張をつづけ、それにしたがい航空本部の業務も著しく増大した。航空軍政の計画機関であると同時に実施機関でもある航空本部は、業務が複雑かつ繁多となるにつれて矛盾を呈するようになり、とくに技術部および補給部の計画、実施の両機能を分離する必要が生じた。 1935年(昭和10年)8月1日、陸軍航空本部令改正(勅令第221号)、陸軍航空技術研究所令(勅令第222号)、および陸軍航空廠令(勅令第223号)が施行された。これにより陸軍航空本部は改編され、従来の技術部は航空本部長隷下の陸軍航空技術研究所に、補給部は同じく陸軍航空廠に昇格、独立することとなった。陸軍航空本部の任務は「陸軍航空に関する事項の調査、研究、試験、立案」、「航空兵科諸軍隊の当該兵科専門教育の斉一進歩を図り、所轄学校の教育」、「航空に関する器材の制式統一」、「航空に関する器材、燃料等の整備、および検査」に関する事項を掌ると改められた。編制は総務部(第一課、第二課)、第一部、第二部という新体制になった。 同日の陸軍航空本部業務分掌規定(陸達第16号)により定められた航空本部における各部が掌る任務は次のとおり(1935年8月時点)。 総務部 第一課 本部一切の業務整理に関する事項。 庶務、人事、および経理に関する事項。 航空部隊の編制、装備、および動員に関する事項。 第2課および他部の主管に属さない事項。 第二課 航空に関する事項(他部主管事項を除く)の調査、および研究。 航空諜報に関する事項。 航空思想の普及および民間における航空教育の指導に関する事項。 第一部 航空兵科諸軍隊本科専門教育および気球隊練習部における教育に関する事項。 陸軍飛行学校および陸軍航空技術学校に関する事項。 第二部 航空器材の制式統一および同制式に関する事項。 航空に関する器材、燃料等の整備および検査に関する事項。 陸軍航空技術研究所および陸軍航空廠に関する事項。 監督官業務の統制に関する事項。 民間軍需品工場の利用、培養、および統制に関する事項。 このほか改編前の検査部における現業を継承して、軍需品工場の監督を行う監督官を航空本部の所轄下に設け、各地に監督班(長は監督官長)または監督官在勤所が置かれた。
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