感度と位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 14:00 UTC 版)
プラネット・ナインは太陽から非常に遠い位置にあることが予想されているため、反射光は非常に弱く、望遠鏡を用いた観測で検出されない可能性がある。予想される見かけの等級は22等より暗く、少なくとも冥王星の600倍暗いことになる。すばる望遠鏡を用いた露出時間10時間の観測で達成できる検出限界は27.7等であり、プラネット・ナインの予想される光度より100倍暗い天体を検出可能である。比較として、ハッブル宇宙望遠鏡はハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールドで行ったおよそ2万秒(555時間)の露出で、31等級の暗さの天体を検出したことがある。しかしハッブル宇宙望遠鏡の視野は非常に狭く、ケック天文台や大双眼望遠鏡も同様である。ブラウンはプラネット・ナインが発見された暁にはハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測を要望している。 もしプラネット・ナインが存在し近日点に近い場所にいれば、天文学者は既存の画像の中からこの天体の存在を同定できる可能性がある。一方で遠日点近辺にある場合は、ハッブル宇宙望遠鏡やハワイのマウナケア山にあるケック望遠鏡やすばる望遠鏡のような地球の最大級の望遠鏡が必要となる。しかし、もしプラネット・ナインがこれらの間に位置している場合は、多くの天文台で捉えることができる可能性がある。統計的には、プラネット・ナインは 600 au よりも遠方の遠日点付近にいる可能性が高い。これは、遠日点付近では天体の動きはより低速になり、遠方に留まる時間のほうが長いことが原因である。
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