後世の意義付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/27 17:07 UTC 版)
別離の巡礼は多くのサハーバが参加したため、膨大な伝承(ハディース)が残されている。サハーバはムハンマドの一挙手一投足を今後の規範とするべく見守っていたため、非常に細かいところまで記憶されている。例えば、イブン・イスハーク(ドイツ語版)は、複数のハディースを引用して、ムハンマドの妻、アーイシャ・ビント・アビー・バクルが巡礼の前に泣き出した逸話を預言者伝に書いている。アーイシャは巡礼の直前に月経が始まってしまい、自分が巡礼に参加できるのか不安になって泣き出したのであるが、預言者はアーイシャがタワーフを除いてすべての儀式に参加できると保証した。 11世紀アンダルスの学者イブン・ハズムは、複数の伝承間に存在する矛盾を解消するため、この別離の巡礼という歴史的イベントに関する詳細な研究を行った。イブン・ハズムはムハンマドがマディーナを出発した明け方から検証を始め、マッカでの預言者の言動一つ一つを確認し、マディーナに戻るまでを追った。イブン・ハズムによると、預言者ムハンマドは、自分の死期が近いのを悟り、自分の死後に巡礼の手順や儀式の正しさを保証する者がいるかどうかわからないため、自分の行う巡礼の手順や儀式を他の者が引用することを意図して、別離の巡礼を行ったという。
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