山椒図目貫
室町時代 山銅地容彫 表左右36.2ミリ 裏左右37.5ミリ 上製落込桐箱入 附 鑑定書 | 山葵や丁子、この山椒など薬種の図は美濃彫様式の作品に多く、太古の時代からの自然の力に対する尊敬の念が窺え、作品を鑑賞する上においても興味が刺激される点でもある。この目貫は短刀拵に装着されていたものであろうか小振りながら緊張感に満ちている。薄手の山銅地を打ち出し強く腰高く彫り表わし、際端は内側に絞ってさらに量感を高め、表面には微細な鏨を打ち込んで山椒の葉と実を実体的に描き出している。美濃彫様式の特徴でもある、絡み合うように構成された唐草様の枝も繊細、所々配された銀の露象嵌が渋く光っている。裏行を観察すると、古風な露象嵌の打ち込みの様子が窺え、この点からも大いに興味が深まる。 いわれぬ侘びの境地を醸し出している。 |
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