小脳皮質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 15:03 UTC 版)
小脳の表面は、小脳皮質と呼ばれる灰白質が覆っており、3層の層構造を示す。表層から順に分子層、プルキンエ細胞層、顆粒層の3層である。皮質の機能は、深部小脳核へと送られる情報を制御することである。苔状線維と登上線維(下オリーブ核から起始)によって深部小脳核に伝達された感覚運動情報は、そこから様々な運動野へと転送され、運動の出力とタイミングを制御する。苔状線維・登上線維はさらに、この情報を小脳皮質にも送り込み、プルキンエ細胞の「発火」を調節する。プルキンエ細胞は強力な抑制性シナプスを通じて、小脳核へのフィードバックを行う。この抑制刺激は苔状線維・登上線維が活性化できる小脳核の範囲を調節し、小脳が運動機能に果たす最終的な効果をコントロールしている。小脳皮質のシナプスの強さは、その可塑性にあることが示されている。これにより小脳皮質の回路は常時適切に保たれ、出力を微調整し、運動の学習・協調の基礎を形成することが可能となっている。小脳皮質のどの層にも、この回路を構成する様々な細胞が含まれている。
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