富本銭とは? わかりやすく解説

ふほん‐せん【富本銭】

読み方:ふほんせん

日本鋳造され銭貨の一。日本書紀天武天皇12年(683)に記載があり、和同開珎よりも古くからある銅銭とする説もあるが、大量に流通していた証拠はない。富夲銭(ふとうせん)。


富本銭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/22 13:38 UTC 版)

富本銭(ふほんせん)は、683年天武天皇12年)頃に日本でつくられたと推定される銭貨である。鋳造年代は708年和銅元年)に発行された和同開珎より古いとされる。この貨幣が実際に流通したのか、厭勝銭(えんしょうせん:まじない用に使われる銭)として使われたに留まったかについては学説が分かれている。


  1. ^ a b c d 松村恵司 「出土銭貨」『日本の美術 No512』 至文堂、2009年
  2. ^ 【夲】 大部 5画 《音読み》 トウ 《意味》{動}大げさに物事をする。また、勢いよく進む。《解字》会意。「大+十」。本来はトウと読むが、ふつう「本」の別体として使われる。(『漢字源』EPWING版)
  3. ^ 高木繁司は、収集家の立場から、刻印通り「富夲」と表記し「ふとう」と発音すべきと主張している。しかし、「当時は「本」の代わりに「夲」字が使用されたとするのが正しい」とも述べており、歴史的事実についての主張ではない。「富夲銭を検証する」『月刊 収集』1999年9月号
  4. ^ 松村恵司は、飛鳥池遺跡出土の8000点余りの木簡について、「法華経夲、山夲等、すべて夲が使用されている」と述べ、「後世の字典には俗字、偽字とするが、七世紀から奈良時代は夲とするのが一般的」としている。 「古代銭貨の銭文」『文字と古代日本4』 吉川弘文館 2005年
  5. ^ 『日本古代木簡字典』 奈良文化財研究所編 2008年 では、「本」の項目5例中4例は「夲」の字体、1例は「本」の字体をあげている。ところが、この1例は平城宮木簡[美作国桧木簀]の「木」を、誤って「本」の項目に入れた編集ミスと判明した。
  6. ^ a b c 今村啓爾 『富本銭と謎の銀銭』 小学館、2001年
  7. ^ 高木繁司前掲論文
  8. ^ 今村啓爾(2001)は「古寳銭」とは実用流通銭ではなく縁起物として作られた記念品の意味であろうとしている。
  9. ^ 読売新聞、1999年3月8日
  10. ^ 下伊那誌編纂会『下伊那郡史第二巻』信濃教育会出版部、1955年、195頁。 
  11. ^ 『信濃毎日新聞』1999年1月26日、社会2面頁。 
  12. ^ 『信濃毎日新聞』1999年3月23日、夕刊社会1面頁。 
  13. ^ 高森町歴史民俗資料館『武陵地1号古墳出土の富本銭https://sitereports.nabunken.go.jp/87956 
  14. ^ 2012年1月31日放送 富本銭、テレビ東京。
  15. ^ a b 栄原永遠男 『日本古代銭貨研究』清文堂、2011年
  16. ^ 森明彦「無文銀銭と富本銭の歴史的位置」『日本古代貨幣制度史の研究』(塙書房、2016年) ISBN 978-4-8273-1283-6


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