実務界と法理論の間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 13:35 UTC 版)
苦学時代に目をかけてくれた人物に、のちに興行界の大物で帝都の名士を集めた「常陸山会」の幹部となる山田喜久次郎がおり、浅草と吉原の表と裏を知り尽くした山田は後に至るも花井の力になったとされる(『鉄砲喜久一代』より)。 また、これも後に総会屋の大物となる久保祐三郎も交流をもった一人であり、森川哲郎の『総会屋』によると、株主総会の運営を正常化するため、ワン株屋と呼ばれる人間たちの面倒を見ていた花井は、記者時代の久保に総会運営の研究を勧めたと記述している。 これらの、いわばアンダーグラウンドの世界の人士と弁護士花井との交流は、大正中頃からの社会の底辺の者たちも国家主義の看板を背負わなければ活動が難しい状況があり、彼らが抱いていた在野法曹の雄としての花井に対する何らかの期待も読み取れよう。
※この「実務界と法理論の間」の解説は、「花井卓蔵」の解説の一部です。
「実務界と法理論の間」を含む「花井卓蔵」の記事については、「花井卓蔵」の概要を参照ください。
- 実務界と法理論の間のページへのリンク