増刊64話 赤いトロフィー / 2000年10月
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1999年5月に起こった米軍機によるベオグラードの中国大使館爆撃事件。米軍は誤爆だったと主張したが、直前に問題になっていた中国の核スパイ問題が影を落としているのではないかという推測は事件発生当時から存在した。直後には核スパイ問題に関するコックス報告書がまとめ上げられて対中批判はいよいよ高まったが、とはいうものの、ナスダック・バブル崩壊後は中国の巨大市場を意識せざるをえなくなり、米政界の対中強硬意見は尻すぼみになる。一方、中国側も米国との穏便な関係を望む人間がいることには変りはなかった。そんな中、空港で盗難被害にあった奇妙なトロフィーがニューヨーク市警に押収される。中心に赤いガラス筒をあしらった洒落たデザインのこのトロフィーには、件の米中関係にまつわるとある秘密が隠されていた。
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