国際政治の理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 21:54 UTC 版)
博士論文を基にした Man, the State and War で、戦争の原因を個人・国家体制・国際システムの視点から分析した。主著 Theory of International Politics は、システム論と称するモートン・カプランやリチャード・ローズクランスの研究を還元主義と批判し、システムレベルからの国際政治理論の構築を提唱した。その立場は新現実主義あるいは構造的現実主義(neorealism/structural realism)といわれる。1980年代の論争は、ウォルツの理論をめぐるものであり、(「モーゲンソーとの対話」という大畠英樹の表現に因めば)「ウォルツとの対話」であったといえるかもしれない。 彼の立場は、国際政治の説明として最も重要な要因は、各国家の内部的なものではなく、国家相互がどういう関係にあるかというシステムだ、というものである。国際政治では淘汰が働いているので、国家がもし生き残りのために最適ではない戦略を採用した場合には、その国家が存続できなくなるという形でふるいがかかるので、各国家の内部的要因は無視していいというスタンスをとっている。
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