固有名詞化
固有名詞化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 18:09 UTC 版)
一般名詞に付くことで固有名詞になる。たとえば島や半島を意味する جزيرة に定冠詞がつくことで الجزيرة (→アルジャジーラ)になり、基地を意味する قاعدة ならば القاعدة (→アルカーイダ)になる。 さらに、固有名詞になることでその名詞が象徴的にされるので、とくにイスラームにおける用語に使う。この「イスラーム」という語 إسلام も文法的には動詞の名詞形だ。定冠詞 الـ を伴った الإسلام の形でいわゆるイスラム教を特に示すことになる。同様に、本をあらわす一般名詞 كتاب に定冠詞が付いた الكتاب はイスラームの聖典である القرآن (→クルアーン)をさし、町や市をあらわす مدينة に定冠詞が付いた المدينة は聖地 المدينة المنورة (→マディーナ)のことをさす。また、神聖さを意味するقدسに定冠詞がつけられたالقدسは聖地であるエルサレムを意味する。これは「数多くの本の中の特に際立った本」、「数多くの町の中で特別な町」という意味合いにある。なお、 كتاب も مدينة も、その単語のみであれば一般名詞であり、定冠詞が付いても文法の上では限定されたという以上の意味はない。したがって文脈によってはイスラームとは無関係に本や町を限定する目的で定冠詞が付くことは珍しくなく、 الكتاب と言ったからといって、必ずしもクルアーンをさしているわけではない。英語でthe White Houseといえばアメリカの大統領府「ホワイトハウス」をさすが、アラビア語における定冠詞は英語ほど強い固有名詞化の作用を持たないとみることもできる。
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