囲い方と戦い方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 07:15 UTC 版)
通常は「▲7八金・▲6八銀・▲5八金・▲6九王」の形。カニに似ているためにこの名称がついた。歴史は古く、江戸時代の三大定跡書の一つ、福島順喜の『将棋絹篩』に既に登場し「当大橋流では門人にもっぱら二枚落ちではこの戦い方を教えている」と述べているほどである。上部からの攻めに強いため、上部からしか攻撃できない二枚落ち上手に対抗するには最適な形の一つとされている。 また、簡単に組めるわりに意外と固いことから居飛車の急戦と併用され、角交換をしない居飛車の棒銀でカニ囲いに組むのも定跡となっている。また、後手で矢倉囲いに組むときには一旦この形に組んでから矢倉に組むのが定跡となっており、「カニ囲いは矢倉の子供」とも呼ばれている。 なお応用として、矢倉を組むかのように見せかけて一気に急戦に持ち込む矢倉崩し定跡とも併用される。米長流急戦矢倉、英春流右四間飛車の囲いはカニ囲いであり、米長流に於いては▲6八銀さえも攻めに使って矢倉を攻略することもある。 弱点は横からの攻撃で、特に飛車の打ち込みに弱い。ただし玉を7九に移動させることによって飛車の打ち込みにも対応できるようになる。それ以外にも、矢倉に近づけることによって徐々に硬い囲いにすることができる。
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