同種粒子
同種粒子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/15 11:06 UTC 版)
「シュレーディンガー場」の記事における「同種粒子」の解説
同種粒子の多体シュレディンガー方程式は、 N個の粒子がそれぞれに指定された位置を持つ状態の確率振幅である多体波動関数ψ(x1, x2...xN)の時間発展を記述する。 ψのシュレディンガー方程式は次のように書ける。 i d d t ψ = ( ∇ 1 2 2 m + ∇ 2 2 2 m + ⋯ + ∇ N 2 2 m + V ( x 1 , x 2 , … , x N ) ) ψ {\displaystyle i{d \over dt}\psi =\left({\frac {\nabla _{1}^{2}}{2m}}+{\frac {\nabla _{2}^{2}}{2m}}+\cdots +{\frac {\nabla _{N}^{2}}{2m}}+V(x_{1},x_{2},\dots ,x_{N})\right)\psi \,} ただし、ハミルトニアンは以下の通りである。 H = p 1 2 2 m + p 2 2 2 m + ⋯ + p N 2 2 m + V ( x 1 , … , x N ) . {\displaystyle H={\frac {p_{1}^{2}}{2m}}+{\frac {p_{2}^{2}}{2m}}+\cdots +{\frac {p_{N}^{2}}{2m}}+V(x_{1},\dots ,x_{N}).\,} 粒子は区別できないため、波動関数は位置を切り替える対称性がある。すなわちどちらかを満たす。 ψ ( x 1 , x 2 , … ) = ψ ( x 2 , x 1 , … ) for bosons {\displaystyle \psi (x_{1},x_{2},\dots )=\psi (x_{2},x_{1},\dots )\qquad \quad {\text{for bosons}}} 、 ψ ( x 1 , x 2 , … ) = − ψ ( x 2 , x 1 , … ) for fermions {\displaystyle \psi (x_{1},x_{2},\dots )=-\psi (x_{2},x_{1},\dots )\qquad {\text{for fermions}}} 。 粒子は見分けがつかないため、並べ替えでポテンシャルVは変化してはならない。 もし V ( x 1 , … , x N ) = V 1 ( x 1 ) + V 2 ( x 2 ) + ⋯ + V N ( x N ) {\displaystyle V(x_{1},\dots ,x_{N})=V_{1}(x_{1})+V_{2}(x_{2})+\cdots +V_{N}(x_{N})\,} である場合には、 V 1 = V 2 = ⋯ = V N {\displaystyle V_{1}=V_{2}=\cdots =V_{N}} となる。 また V ( x 1 . . . , x N ) = V 1 , 2 ( x 1 , x 2 ) + V 1 , 3 ( x 2 , x 3 ) + V 2 , 3 ( x 1 , x 2 ) {\displaystyle V(x_{1}...,x_{N})=V_{1,2}(x_{1},x_{2})+V_{1,3}(x_{2},x_{3})+V_{2,3}(x_{1},x_{2})\,} であれば V 1 , 2 = V 1 , 3 = V 2 , 3 {\displaystyle V_{1,2}=V_{1,3}=V_{2,3}} などのような結果を得られる。 シュレーディンガー方程式の形式では、ポテンシャルの制限はアドホックであり、古典的な波の極限に到達するのは困難である。 また、系が環境に対して開いている場合、粒子が出入りする可能性があるため、有用性が限定される。
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