各方言の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 01:50 UTC 版)
宮古島南部ではmとなるところが、大浦など北部ではnとなる傾向がある。(例)「耳」[mim](与那覇)‐[min](大浦)。 多良間島では、日本語のサ・シ・ス・セ・ソはそれぞれ/sja/,/sï/,/sï/,/si/,/sju/となる。(例)[ʃudi](袖)。また多良間島ではリに対し[l]が出現する。(例)[tul](鳥)、[nagaʃaːl](長い)。水納島でもリに対し[l]が現れるが、それも[i]に変化しつつある。[l]を持つのは琉球語のうち、多良間島・水納島だけである。 宮古島南部の友利方言では日本語のテに対し/ci/が対応するのが特徴的である。宮古島北部の島尻方言でもみられる。(例)[tʃindau](天井、友利方言)。 大浦方言ではhが音素として現れる。これは母音aに挟まれたkが変化したものとみられる。(例)[haːha](明るい)。狩俣方言では、さらにこのhが脱落してしまっている。(例)[kaːdi](書こう) 大神島方言では、有声破裂音g・b・dが半無声化を起こし、k・p・tに近く発音される。しかし、本来のk・p・tは強い摩擦音を伴い、これらとは明確に区別されている。このような現象は琉球方言の中でも大神方言以外に例がない。また、大神島方言では日本語のチ・ツが/kï/に、ジ・ズが/gï/になっているのも大きな特徴である。 大神島の対岸にあたる宮古島狩俣では、無声子音とn・rに挟まれた母音の無声化が起こる。また池間方言ではm、nが無声音で出現する。狩俣でも聞かれる。池間方言ではmに無声と有声の対立がある。 伊良部方言では、日本語のガ行子音は語中において/ʔ/となる。またカ行子音も、語中において/h/(音声は[h]または[x])になる。(例)[kaʔam](鏡)、[axa]または[aha](赤)
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