各国・地域の大麻政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:14 UTC 版)
多くの国に大麻を規制する法律があるが、これは国際法である国際連合の薬物に関する3つの国際条約に批准することに通じている。3つの条約とは、麻薬に関する単一条約(1961年)、1971年・向精神薬に関する条約(1971年)、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(1988年)であるが、最初に挙げた単一条約が特に大麻に関係する。特に21世紀となり条約批准国の中には、国内法あるいは地域自治法において、医療に限って許可したり、娯楽目的では量を規定して単に罰金とする非犯罪化が進められてきた。 単一条約から50年が経った2011年、薬物政策国際委員会(国連機関ではなく民間NGOである)は、禁止による対策は失敗し薬物による問題を助長しており、麻薬犯罪組織を弱体化させる実験的手法として、政府による合法規制を特に大麻に対して実施してはどうか、との提言を行った。 2016年には、大麻が正式に科学的に審査されたことがないことから、国際連合と世界保健機関(WHO)は科学的審査を進めており、2019年には規制見直しのための国連を通した投票が行われる運びとなった。 2018年10月10日、世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長は、嗜好用大麻について「常習性の薬物は何であれ、人の健康に良くないと考えている」とし、「WHOが、実際に合法化に踏み切ろうとしている国家に続くよう各国に奨励することはない」と明言している。国際麻薬統制委員会も合法化したウルグアイとで輸出入などを犯罪化するよう協議を重ねてきている。一方で2019年6月には、国際麻薬統制委員会 (INCB) は声明を発表し、個人的な使用による薬物の少量の所持のような違反には、条約は刑罰を義務付けていないので治療などの代替策があるとした。これらの国際機関は合法化には懸念を示しているが、人権に配慮した非犯罪化を提唱するようになった。 2020年12月には、国連の麻薬統制委員会は、条約において大麻を最も危険なグループ(危険性が医療価値を上回る)に分類していたものを削除することを決定し、医療利用の道を開いた。
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