古赤道分布論の基礎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 15:08 UTC 版)
ドクウツギはまた、植物学者の前川文夫が古赤道分布論の基礎のひとつとしたことでも知られている。ドクウツギの仲間は、日本では中北部の一属一種のみだが、近似種が十種ばかりあって、国外ではアジアでは台湾、中国内陸部からヒマラヤに、オセアニアではニューギニアとニュージーランドに、それに南アメリカの南部と北部の太平洋側、そしてヨーロッパの西部に分布がある。このように、極めて飛び離れた隔離分布をしており、これと西シベリアの化石種を併せて、前川はこれが白亜紀頃の赤道に沿った分布であると考えた。白亜紀の赤道に沿って分布していた種が、その後の気候の変化の中で、寒くなりすぎた地域で絶滅したため、このような、世界中を点々とするような分布が生じたのだというわけである。
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