動機付けと応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 05:46 UTC 版)
手法が一貫していることに加えて、普遍代数学は深い定理や重要な例や反例も与えてくれる。つまり、新しい代数のクラスを研究し始めるのに際して有力な枠組みを提供するのである。特定の代数のクラスに対して発明された方法を、普遍代数学における言葉で書いておいて、それぞれのクラスにおける言葉として解釈すれば、他の代数のクラスにも適用するということができる。概念的な分類ということも可能である(J.D.H. Smith が言ったように「特定の枠組みでは乱雑で複雑に見えることも、真に一般の立場から見れば単純なものとなる」)。 特に普遍代数学はモノイドや環あるいは束の研究に応用することができる。普遍代数学以前にもさまざまな定理(最も顕著なものは同型定理)がそれぞれの分野において個別に証明されてきたけれども、普遍代数学を用いればそれらは一度に他の任意の代数系に対しても証明できてしまう。 ヒギンズは (Higgins 1956) において特定の代数系の範囲に対する枠組みをよく追及していたが、(Higgins 1963) では部分的にのみ定義された演算を持つ代数についての議論(典型的にはそれが圏や亜群を成すこと)が特筆される。ここから高次元代数学(英語版)の主題が生まれ、それは幾何学的な条件で定義された定義域を持つ部分演算をもつ代数理論の研究として定義することができる。これらの重要な例は様々な高次圏や高次亜群の形で存在する。
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