公式参拝(こうしきさんぱい)
内閣総理大臣(首相)が公的な形式で靖国神社に参拝することを指す。特に、首相が個人として参拝する「私的参拝」ではなく、首相という立場で参拝することを強調する。
首相による公式参拝が行われたのは、1985年の中曽根内閣のときだ。終戦の日にあたる8月15日に、中曽根康弘・首相(当時)は公用車を使って靖国神社に参拝した。このとき、拝殿で「内閣総理大臣 中曽根康弘」と記帳した上、供花料の名目で公費から3万円を支出している。
参拝を終えた中曽根首相は、「内閣総理大臣の資格で参拝した。いわゆる公式参拝である」と明言し、私的参拝ではないときっぱり否定した。これに対し、靖国神社の公式参拝は日本の軍国主義への回帰志向だとして、中国などの近隣諸国は猛反発。国内でも、違憲訴訟が提起されるなど波紋を広げた。
このとき以来、首相が靖国神社に参拝するときには、私的参拝か公式参拝かが問題とされるようになった。しかし、参拝形式を変えたり、終戦の日を避けたりして、公式参拝を明言することはなくなった。
公式参拝にこだわる小泉首相は、内外にある批判に熟慮して対応するという考えだが、靖国神社という政治問題よりも、目の前にある経済問題のほうを優先して熟慮してもらいたいという市場の声もある。
(2001.08.07更新)
靖国神社問題
(公式参拝 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/08 04:47 UTC 版)
靖国神社問題(やすくにじんじゃもんだい)は、政教分離の原則との関連や、戦争責任などの歴史認識、周辺国との外交関係の配慮などを理由とした、靖国神社への参拝をめぐる諸問題を指す。「靖国問題」と略称されることが多い[1][2][3][4][5][6][7][8]。
- ^ 続日本記(天平2年9月の条)には安芸長門の民が死者の霊を信奉しているが養老律令賊盗律の妖書妖言に当るので止めさせるよう詔勅が出された旨の記述がある。
- ^ 同事典の平成12年版では、「常に問題を先送りしてきたのは第1線の祀職に(責任が)ある」と結んでいる。
- ^ なお、靖国神社ではなく真言宗智山派の高尾山薬王院での政教分離訴訟であれば、護摩祈祷を宗教行為と認定した上で、公務員が公務として正式に参加することは政教分離に違反しないとする判例がある[26]。
- ^ 国家及び地方公務員における同様の訴訟として、公務として高尾山薬王院で正式に礼拝・護摩祈祷に参加したことが問題となった事件がある[31]
- ^ 日本労働年鑑によれば、これをきっかけに、信仰上の相違と靖国神社法案に反対する立場から「日本遺族会」に属していない、あるいは脱会していた遺族が「平和遺族会全国連絡会」を結成するに至ったという[32]。
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