偽造カードの作成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 00:37 UTC 版)
「キャッシュカード」の記事における「偽造カードの作成」の解説
殊に、磁気カードでは、同一形式のカードが銀行オンラインシステム以外にも用いられる様になるとともにカードリーダ等の機器の入手も容易となり、キャッシュカードの磁気帯の情報を読み取ったり偽造カードを作成する事も困難ではなくなってきた。認証に関わる磁気情報が全て露出しているのに加えて、その情報を別のカードに記録する事も容易であることから、スキミングによる偽造カードの作出と、それを使用した不正操作が社会問題となった。 磁気情報窃盗で、空き巣に入っても物を取らずに、キャッシュカードの磁気情報だけを読み出し機で読み出すと共に暗証番号推測に役立つ情報を書き取り、別所で偽造カードを作成して不正操作に及ぶ例が見られる。 2004年には、銀行のATMコーナーに、安全対策を騙りカード読み取り機を置き、カードを通して暗証番号入力を求める事件があった。誤ってカードを通して暗証番号を入力した利用者の中から被害に遭った例もある。 2005年1月に明るみに出た群馬県のゴルフ場でのスキミングによる不正引出しでは、ゴルフ場職員が犯罪に加担した。キャッシュカードの暗証番号をロッカーに設定するケースが多い点に目をつけ、貴重品ロッカーをマスターキーで開けてカードから磁気情報を読み取ると共に、管理機能で利用者が設定した暗証番号も読み取り不正操作に及ぶ。 2005年後半にはATMに盗撮カメラを仕掛けてキャッシュカード表面の文字や番号等と、暗証番号を入力する様子を撮影し、得られた情報から磁気情報を作出してカードに記録し、これを用いて預金不正引出しに及んだ例も確認された。 2006年11月には、「あなたはNHK受信料の支払状況が良く懸賞金を進呈するので、口座番号と暗証番号を教えてほしい」と電話をかけ、キャッシュカードを偽造する事件が発生した。 2008年11月には、健康食品会社から流出した個人の口座番号を元に偽造カードが作成された疑いが強い不正引出し事件が発覚した。暗証番号は電話による残高照会サービスを利用して割り出した模様で、スキミングとは異なる手口。 カードの盗難では、被害に気づいたら、すぐに届け出て口座やカードを凍結できるが、スキミングではカードそのものは本人の手許にあるため、通帳への記帳や利用明細をチェックするまで被害に遭った事に気づかない。 他、生体認証カードでは1日の引き出し限度額が最大で20倍程度になる点を悪用し、特殊詐欺の手段として生体認証カードを作らせて現金を騙し取る例が、東京都内で多発している。
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