代理権の濫用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/02 15:17 UTC 版)
代理権の範囲内の行為をした場合であっても、代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理行為をした場合には代理権の濫用となる(107条)。 2017年の改正前民法には代理権の濫用の定めがなく判例は93条(心裡留保)を類推適用していた(最判昭和42年4月20日民集21巻3号697頁)。しかし、93条の類推適用は理論的に難があると指摘されていた。 2017年の改正民法では「代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。」という条文(107条)が新設された(2020年4月1日施行)。この場合は代理権を有しない者がした行為(無権代理行為)として処理されるため、本人の追認や無権代理人の責任の追及が可能となる。
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