人柄と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 09:47 UTC 版)
「ジョン・W・キャンベル」の記事における「人柄と評価」の解説
デーモン・ナイトはキャンベルの風貌を「太っていて、ブロンドの髪を逆立たせ、挑発的な睨み方をする人物」と表現している。「6フィート1インチでタカのような風貌で、一見して怖そうである」とはサム・モスコウィッツの言である。アシモフは「背が高く、髪の毛は明るい色で、幅広の顔に薄い唇、常にシガレットホルダーをくわえていた」と書いている。 さらにアシモフはキャンベルについて「話好き、独断的、移り気で高圧的。彼と話をするということは、彼の話を一方的に聞かされるということを意味していた……」と記している。ナイトもほぼ同様の意見で「キャンベルに捕まると長々と講義を聴かされることになるので、なるべくそういう事態にならないよう避けていた。キャンベルは相手の何倍も話し、特にとんでもないことを言って驚かせるのが好きだった」と述べている。 イギリスの作家で評論家のキングズリー・エイミスはキャンベルについて「社会学的注釈としてこの『アスタウンディング』誌の編集長は、際立った残忍さを持った人物であり、超能力機械を自ら発明したと思っていたようだ、とだけ付け加えたい」とそっけなく記している。 SF作家アルフレッド・ベスターは "Holiday" 誌の編集者であり、洗練されたニューヨーカーだった。彼はキャンベルを「バートランド・ラッセルとアーネスト・ラザフォードを足して2で割ったような人物」だと想像していた。そして「発狂したような邂逅」を果たしたときのことを後に語っている。それによるとキャンベルが真っ先に言ったのは、ダイアネティクスの新たな発見によってフロイトはとどめを刺されたということだった。そして、L・ロン・ハバードがノーベル平和賞を受賞するだろうと予言した。困惑するベスターにキャンベルは「思い出せ。お前の母親がお前を流産しようとしたことを思い出せるはずだ。お前は彼女を常に憎んできただろう」と言ったという。ベスターはこれについて「このことで、SF界の大多数が分別の無さを見逃しているという私の個人的意見が補強された」とコメントしている。 キャンベルは1971年、ニュージャージー州マウンテンサイドにて61歳で没した。『アナログ』誌で34年間編集長を務め、最後のころにはキャンベルが育てた著名な作家の多くは、キャンベルの奇抜な個性と風変わりな編集方針についていけず、ほとんど彼の下に原稿を送らなくなっていた。 アシモフはキャンベルについて「彼の晩年の20年間は、かつて彼がそうであったものの縮み行く影でしかなかった」と結論している。キャンベルが発掘した中でも最も成功した作家でしかも親友だったハインラインも、最終的にはキャンベルとの親交を絶っている。
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