中国の特殊な役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 03:29 UTC 版)
経済学者のジョン・ケネス・ガルブレイスは、政治システムの経済に対する影響は限定的なものであると考えている。彼によれば、歴史的に見て個々の国家間の比較上の違いは、決して社会主義ということで片付けられるべきではない。途上国における現実社会主義システムの根本的な失敗は、特に計画能力・行政能力が不足していたことにある。それに対して数千年にわたる行政の歴史をもつ中国は例外である、ということがそれを証明している。 中心的な違いは、農業との関係である。ソビエト連邦(ソ連)では、経済的には良かったがイデオロギー上は不適切だったネップ(新経済政策)は、「クラーク(自営農家)に対するブレスト=リトフスク条約」と呼ばれた。農家は、その後まもなく可能な限り容赦のないかたちで集団化された。 それとは対照的に、中国では、農民たちを自主的に動員して長征途上での軍隊の補給を経済的に成功させたことが、中国の革命の本質的・特徴的な要素であった。中国人民解放軍は、内戦後しばらく経済的なアクターとして(土地所有に関しても、軍需産業に関わる様々な企業によっても)成功していた。解放軍は、最初から兵士たちを食料品で扶養することを余儀なくされていた。軍隊は、たとえ1980年代の初めに、解放軍の民需品生産を団体連合から引き離すことを始めたとしても、中国社会にとっては中心的な意味があった。
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