ヴァイスの応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/13 02:35 UTC 版)
モニエの特許はドイツやオーストリアで特に人気があった。中でもベルリンの建築家・技術者のグスタフ・アドルフ・ヴァイス(Gustav Adolf Wayss,1851-1917)によって、鉄筋コンクリートの技術が建築界に欠かせないものとして確立されることになった。 ヴァイスは事務所を立ち上げて、ドイツとオーストリア国内におけるモニエの特許権を買収した。そのうえで鉄筋コンクリートに関する研究を重ね、載荷試験などを行って、モニエ自身も仕組みを理解していなかった鉄筋コンクリートの強度について解明した。ヴァイスはこれらの結果をまとめ、1887年に『モニエ・システム(The Monier System)』というタイトルで発表し、さまざまな建築工法のなかでモニエの鉄筋コンクリートを最も高く評価するとともに、鉄筋コンクリートの構造計算を確立した。この工法を解説するパンフレット(Monier Brochure)も広く出版された。 このレポートによって、ドイツ語圏では「モニエ・システム」と称する鉄筋コンクリート工法が知れ渡ることになった。ヴァイス自身も、モニエ・システムによって、ドイツ国内で1887年から1899年までの間だけで320もの橋を建設している。まもなくこの工法はヨーロッパ中に広まり、オーストラリアやアメリカでも採用されて普及するようになった。のちにヴァイスはヴァイス&フライターク社(Wayss & Freytag)を興している。 20世紀に入ると鉄は鋼に置き換えられるようになり、引張強度が飛躍的に高まったことで、鉄筋コンクリートは建築業界に欠かせない建材となっていった。
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