レミゼラブル [Les Misérables]
レ・ミゼラブル
| 原題: | Les Miserables |
| 製作国: | イタリア フランス |
| 製作年: | 1957 |
| 配給: | 中央映画社 |
| キャスト(役名) |
| Jean Gabin ジャン・ギャバン (Jean Valjean) |
| Daniele Delorme ダニエル・ドロルム (Fantine) |
| Bernard Blier ベルナール・ブリエ (Javert) |
| Serge Reggiani セルジュ・レジアニ (Enjolras) |
| Andre Bourvil アンドレ・ブールビル (Thenardier) |
| Silvia Monfort シルヴィア・モンフォール (Eponine) |
| Giani Esposito ジャンニ・エスポジト (Marius) |
| Beatrice Altariba ベアトリス・アルタリバ (Cosette) |
| Jimmy Urbain ジミー・ウルバン (Gavroche) |
| 解説 |
| ヴィクトル・ユーゴーの原作を「みどりの学園」のジャン・ポール・ル・シャノワ監督が映画化した作品。脚色はルネ・バルジャヴェルとル・シャノワの共同。撮影をジャック・ナトーが受けもっている。音楽ジョルジュ・ヴァン・パリス。出演するのは「可愛い悪魔」のジャン・ギャバン、「殺意の瞬間(1956)」のダニエル・ドロルム、ベルナール・ブリエ、フェルナン・ルドウ、セルジュ・レジアニ、アンドレ・ブールビル、シルヴィア・モンフォール、ベアトリス・アルタリバ、ジャンニ・エスポジト、ジミー・ウルバン等。テクニカラー・テクニラマ。 |
| ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
| ジャン・バルジャン(ジャン・ギャバン)はツーロンの獄で重労働に従った。一片のパンを盗み、五年の刑を言渡されたのだ。が、脱獄で刑が重くなり、十九年がそこで過ぎた。--出獄後、職を求めて流れ歩いた。デイニュで、司教ミリエルは彼を暖く迎えいれた。朝、彼の姿はなく、銀の食器もなかった。彼は憲兵に捕えられてきた。司教は銀器はさしあげたのだと、ジャンの弁解を保証した。司教は二本の銀の燭台を彼に与えた。彼は自分の行為を恥じた。--数年後、モンルイユにマドレーヌという大工場主が現れた。慈善家で、人望を集め、市長にさせられた。新任の刑事ジャベール(ベルナール・ブリエ)は彼にどこか見覚えがあった。荷馬車の下から馭者を彼が強い力で助けだしたとき、ジャベールはツーロンのジャンを思いだした。看守の息子だったのだ。ジャンには、煙突掃除の少年から銀貨を強奪した罪で終身懲役が待っている。彼は市長を告発した。が、ジャンはすでに捕えられていた。昔の仲間の証言もあった。マドレーヌ氏は身辺を整理し、その法廷に名乗りでた。自分に似ていたため無実の罪を着た男を助けだすために。しかし、ジャンは脱獄したのだ。なぜなら、ファンティーヌ(ダニエル・ドロルム)という娼婦と、その死に際に固い約束があったから。彼女の幼い娘コゼットを、欲ばりの宿屋の亭主テナルディエ(アンドレ・ブールビル)から引取るのだ。彼はそれを果すと、ジャベールの追跡を逃れ、パリの修道院にコゼットと隠れ住んだ。一八三二年、王党派と共和派の対立で、パリの街は不穏だった。ジャンは成長したコゼット(ベアトリス・アルタリバ)と街でパンを盗んだ少女を群衆から救ったが、その父はテナルディエだった。コゼットは気づかなかった。その隣室には、コゼットが毎日公園でみかける青年マリウス(ジャンニ・エスポジト)が住んでいた。テナルディエはワーテルローの戦いで夜盗を働いたとき、マリウスの父を助けたことがある。マリウスはアンジョラ(セルジュ・レジアニ)の指揮する革命派の蜂起に加わった。相愛のコゼットを残して。ジャンはコゼットの心を知り、マリウスを救おうとバリケードに行った。そこには警部ジャベールが捕えられていた。身柄をあずかったジャンは彼を逃してやった。戦いののち、バリケードは落ちた。アンジョラは死んだ。ジャンは傷で失神したマリウスを背負い、下水道をつたって逃げた。出口で、ジャベール一味が待っていた。ジャンはマリウスをその祖父の家まで運び、それから縛につこうとした。外のジャベールの姿が消えていた。彼は河へ身を投げた。マリウスとコゼットは結婚した。ジャンはマリウスに自分の過去を告げた。マリウスは彼に姿を消してくれと頼んだ。後になってマリウスは命の恩人がジャンであることを知った。彼はコゼットをつれ、ジャンを訪ね、ゆるしを乞うた。が、そのときすでにジャンは病いにおかされていた。彼は二人を祝福すると、大往生をとげた。その枕頭には、あの二本の燭台がかざられてあった。 |
レ・ミゼラブル
| 原題: | |
| 製作国: | 日本 |
| 製作年: | 1950 |
| 配給: | 東映 |
| スタッフ | |
| 監督: | 伊藤大輔 イトウダイスケ |
| 製作: | マキノ光雄 マキノミツオ |
| 脚本: | 棚田吾郎 タナダゴロウ |
| 舟橋和郎 フナハシカズオ | |
| 構成: | 八木保太郎 ヤギヤスタロウ |
| 企画: | 坪井与 ツボイアタエ |
| 西原孝 ニシハラタカシ | |
| 岡田寿之 オカダカズユキ | |
| 撮影: | 石本秀雄 イシモトヒデオ |
| 音楽: | 伊福部昭 イフクベアキラ |
| 美術: | 小池一美 コイケカズミ |
| キャスト(役名) |
| 早川雪洲 ハヤカワセッシュウ (岩吉(ジャン・バルジャン)) |
| 薄田研二 ススキダケンジ (熊谷(ジャベル)) |
| 東野英治郎 トウノエイジロウ (長吉(テナルディエ)) |
| 岸輝子 キシテルコ (お六(テナルディエの妻)) |
| 早川富士子 ハヤカワフジコ (小雪(コゼット)) |
| 小夜福子 サヨフクコ (お絹(ファンティーヌ)) |
| 浪路はるか ナミジハルカ (お新(エポニーヌ)) |
| 原保美 ハラヤスミ (山内(マリウス)) |
| 小沢栄 オザワサカエ (安藤(アンジョーラ)) |
| 沼田曜一 ヌマタヨウイチ (村上) |
| 三雅島夫 (吉三(ブルーヴェ)) |
| 青山杉作 アオヤマスギサク (神保(ジルノルマン)) |
| 東山千栄子 ヒガシヤマチエコ (お咲(トウサン)) |
| 村瀬幸子 ムラセサチコ (婆や(サンプリス)) |
| 北林谷栄 キタバヤシタニエ (女監督(ヴィクトリニヤ)) |
| F・シュバリエ (ミリエル司教) |
| M・L・トルーヌ (バテイヌ老嬢) |
| 解説 |
| 早川雪洲の帰朝第二回目の作品として東横が企画し、マキノ光雄が製作を担当している。ヴィクトル・ユーゴーの不滅の大作「レ・ミゼラブル」に取材してこれを日本化し、その構成には、「きけわだつみの声(1950)」や「軍艦すでに煙なし」の構成を受け持った八木保太郎が当り、脚本は、「きけわだつみの声(1950)」の舟橋和郎、それに棚田吾郎が協力している。監督は、雪洲の第一回作品「遙かなり母の国」を監督した伊藤大輔が再びメガホンを取っている。撮影は「われ幻の魚を見たり」の石本秀雄、音楽は伊福部昭。俳優陣は雪洲の他には、コゼットの役に早川雪洲の愛嬢早川富士子が初出演し、その他小夜福子、原保美を除く他は、殆ど新劇界のヴェテランでかためている。他にフランス映画輸出組合のF・シュバリエ氏、フレンチ・ミッションのM・L・トルーヌ嬢などの特別出演がある。第一部と第二部の前後篇からなっている。 |
| ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
| 〔第一部〕一椀の飯を盗んだために十九年間の牢獄生活を送らなければならなかった岩吉は、大政奉還の大赦令により出獄したが、世間は彼に冷たかった。そして危く再び悪に走ろうとしたときミリエル司教は、彼に暖い手をのべ、無限の神の愛を教えた。天刑病として人々に忌み嫌われている男を救ったことから、岩吉は、改良絣の織機の操作を伝授され、事業と徳行を以って知られる福岡県第三区長、松野栄一として更生したのも暫くのことで、自分の前名岩吉の名を負って重罪裁判にかけられる男のいるのを知ると、苦悶したが、ミリエル司教の教えを思い出して自ら名乗り出て罪に服することになった。しかし唯一の心がかりは、転落の女お絹と、彼女に救ってやると約束したその娘小雪のことであった。折しも護送船が難破したのに紛れて脱出、小雪を無頼漢長吉の手から救い出して、何処へともなく姿を消して行った。月日は流れた。〔第二部〕その間に、徳川幕府打倒に立った西郷隆盛が、自ら作った明治政府への不満から反旗をひるがえし、薩摩の志士も続々と上京、東京の巷も物情騒然たるものがあった。こうした中にも、岩吉は強く生き抜き、藤崎万作と名乗って、富裕な生活を営んでいた。小雪も美しく成長して、志士山内と恋仲であった。岩吉はそれを知るといい知れない淋しさに襲われた。その上、福岡以来、彼の身を追っている法律の権化のような熊谷警部の手が再び身辺に迫って来た。無頼の長吉一家は、彼に執拗につきまとって、その娘のお新は、山内に横恋慕をしかけるのであった。捕手に追われて山内が傷ついて倒れ、これを介抱する小雪の必死の有り様を見て、岩吉は若い二人の愛情に負け、その山内を助けようとして流れ弾に当った。そのとき彼は追って来た熊谷をも許した。熊谷は、初めて岩吉の偉大な人格に触れ、人間愛と法との板ばさみになり、そのどちらをも取り得ない自分を恥じて自決した。小雪と山内とのささやかな結婚の日、鳴り響く教会の鐘の音を聞きながら岩吉は全てを失って後初めて得た神の光を仰ぎながら静かにその生涯を閉じた。 |
レ・ミゼラブル
| 原題: | Les Miserables |
| 製作国: | フランス |
| 製作年: | 1996 |
| 配給: | ワーナー・ブラザーズ映画配給 |
| キャスト(役名) |
| Jean Paul Belmondo ジャン・ポール・ベルモンド (Henri Fortin(pere et fils)) |
| Jean Paul Belmondo ジャン・ポール・ベルモンド (Jean Veljean) |
| Michael Boujenah ミシェル・ブジュナー (Andre Ziman) |
| Alessandra Martines アレッサンドラ・マルチネス (Elise Ziman) |
| Annie Girardot アニー・ジラルド (Thenardiere fermiere) |
| Clementine Celari クレマンティーヌ・セラリエ (Catherine) |
| Clementine Celari クレマンティーヌ・セラリエ (Fantine) |
| Philippe Leotard フィリップ・レオタール (Thenardier fermier) |
| Rufus リュフュ (Thenardier 1830) |
| Rufus リュフュ (Thenardier 1900) |
| Rufus リュフュ (Thenardier fils 1944) |
| Nicole Croisille ニコール・クロアジール (Thenardiere 1830) |
| Nicole Croisille ニコール・クロアジール (Thenardiere 1900) |
| Ticky Holgado ティッキー・オルガド (“Addition”) |
| William Leymergie ウィリアム・レイメルジー (“Tour Eiffel”) |
| Philippe Khorsand (L'inspecteur) |
| Philippe Khorsand (Javert) |
| Salome(Salome Lelouch) サロメ (Salome Ziman) |
| 解説 |
| ヴィクトル・ユゴーの不朽の名作『レ・ミゼラブル』に想を得て、激動の20世紀を生き抜く人々の姿を描く大作メロドラマ。監督・製作・脚本は「男と女」「愛と哀しみのボレロ」などのメロドラマの名手クロード・ルルーシュ。いわゆる撮影担当者のクレジットはなく、照明監督としてフィリップ・パヴァンス・ド・セカッティが、ロケーション・ユニット・カメラマンとしてベルトがクレジットされている。音楽は「男と女」「白い恋人たち」などルルーシュとは名コンビで知られるフランシス・レイ、「シェルブールの雨傘」「プレタポルテ」などの巨匠ミシェル・ルグランという二大巨頭に加え、フランシス・レイ作曲の主題歌「レ・ミゼラブルの歌」を歌うのはパトリシア・カース。主演は「勝手にしやがれ」など、ヌーヴェルヴァーグ以降のフランス映画最大のスター、ジャン=ポール・ベルモンドで、「ライオンと呼ばれた男」に次いでルルーシュと組んだ。本作ではジャン・ヴァルジャンの現代版ともいうべき主人公とその父、さらに劇中劇として語られるユーゴーの原作のジャン・ヴァルジャンの三役に扮する。共演は「赤ちゃんに乾杯」のミシェル・ブジュナー、バレリーナ出身のアレサンドラ・マルティンヌほか。さらに「魅せられて」のジャン・マレー、「修道女」のミシュリーヌ・プレール、名脇役でコメディアンのダリー・カウルといった往年の大スター、ベルモンドの息子ポール・ベルモンドら、ゲスト出演陣も豪華。95年度ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞を受賞。 |
レ・ミゼラブル
| 原題: | Les Miserables |
| 製作国: | アメリカ |
| 製作年: | 1997 |
| 配給: | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給 |
| 解説 |
| ジャン・バルジャンの波乱万丈の人生を描いた大河ロマン。ビクトル・ユーゴーの名作『ああ無情』の映画化。監督は「ペレ」「愛と精霊の家」の名匠ビレ・アウグスト。脚本は「死と乙女」のラファエル・イグレシアス。製作は「マイ・ビューティフル・ランドレット」のサラ・ラドクリフと、「山猫は眠らない」のジェームズ・ゴーマン。撮影のイェルゲン・ぺーション、編集のヤヌス・ビレスコフ=ヤンセン、美術のアンナ・アスプはアウグスト作品の常連。衣裳は「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」のガブリエラ・ペスクッチ。出演は「マイケル・コリンズ」のリーアム・ニーソン、「シャイン」のジョフリー・ラッシュ、「ガタカ」のユマ・サーマン、「レインメーカー」のクレア・デーンズほか。 |
| ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
| 1812年のフランス。仮出獄したジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)は老司教(ピーター・ボーン)のところから銀食器を盗み警察に捕まるが、この出来事でバルジャンの心は変化する。9年後。バルジャンは市長になっていた。そこへかつて彼に鞭をふるったジャベール警部(ジェフリー・ラッシュ)が赴任してきた。その頃、職を追われたファンテーヌ(ユマ・サーマン)は娼婦となったが、いさかいで逮捕されてしまう。事情を知ったバルジャンは病身の彼女を手厚く看護する。同じ頃、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、自分が本物のバルジャンだと名乗り出る。再び追われる身となった彼は死の淵のファンテーヌに娘を引き取ることを誓う。彼女の娘コゼットを連れ出しパリへ潜入し、修道院の庭師として働くことになった。10年後、二人は俗世界に居を構える。そこでコゼット(クレア・デーンズ)は青年革命家のリーダー、マリユス(ハンス・マセソン)と愛し合うようになる。市街戦が起こり、マリユスらに囚われたジャベールをバルジャンは解放する。だが今度は負傷したマリユスを背負ったバルジャンをジャベールが逮捕する。死を決意したバルジャンが目にしたものは、自ら川に身を投げるジャベールであった。 |
レ・ミゼラブル
| 原題: | Les Miserables(1917) |
| 製作国: | アメリカ |
| 製作年: | 1917 |
| 配給: |
| スタッフ | |
| 監督: | Frank Lloyd フランク・ロイド |
| 原作: | Victor Hugo ヴィクトル・ユーゴー |
| キャスト(役名) |
| William Farnum ウィリアム・ファーナム (Jean Valjean) |
| Hardee Kirkland ハーディー・カークランド (Javert) |
| Edward Elkas (Thenardier) |
| Kittens Reichert (Cosette) |
| Jewel Carmen ジウエル・カーメン (Cosette (Grown up)) |
| 解説 |
| 仏の文豪ヴィクトル・ユーゴー氏が国外へ追放されて居る時、1858年より1862年迄の5年間を瞑想と思索とに費して完成したのがこのレ・ミゼラブル(惨めなる人々)である。熱烈なる共和党員なる父より生れ、追放令を受けた老将軍と還俗した老牧師との家庭教育を受け、詩人としてはロマンティック運動の主将であり、政客としては民主派であり、主義よりも寧ろ熱情の人であった彼ユーゴーの脳裏に、最も鮮かに浮んだ所のものは実に社会の底に呻吟する惨めな人々の姿であり、彼等を作り出した社会の缺陥であり、彼等が漂う時運の流れであた。『法律と風習とによってある永劫の社会的処罰が存在し、斯くして人為的に地獄を文明のさなかに拵え、聖なる運命を此世の不運によって紛糾せしむる間は、また賤民の一階級による男の退歩、飢餓による女の墜落、闇黒による子供の萎縮、それら3つの時代の問題が解決されない間は、また、ある方面に於て、社会的窒息が可能である間は、また、言葉を換えて言えば、そしてなお一層広い見地よりすれば、地上に無智と悲惨とがある間は、かかる物語は恐らく無盆であるまい』と作者は言っている。この人道的大作品を映画劇化したフォックス会社の『レ・ミゼラブル』が1917年暮発売されてから、吾人は深くその輸入を待った。最近日活社が巨額を投じて購入し近く公開する運びとなったのは深く喜ばしく思う所である。殊に『惨めなる且つ偉大なる男』ジャン・ヴァルジャンに扮した性格俳優の第一人者ウィリアム・ファーナム氏の真に精錬された技芸が全篇に見られるに於ておやである。氏の対的はコゼットに扮する可憐なジウエル・カーメン嬢。監督は最近ゴールドウィンに於る近作『十三号室』や『白銀の群』が紹介されたフランク・ロイド氏である。 |
| ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
| 赤貧洗うが如き百姓のジャン・ヴァルジャンは、餓に迫った姉を助けたいの一念から、せっぱ詰って一片のパンを盗んだ為、捕えられて5年の刑に処せられる。入獄後彼は自分の罪が重過ぎるとの念が絶えず、人を憎み世を呪って度々脱獄を計ったために悠々19年の春秋を獄裡に過して、放免されたのは1815年10月の事であった。刑餘の人よと世間の者から対手にされず、幾日が諸処を彷徨した後ディーニュの町へ辿りつき、ミリエル僧正の許に一夜の宿を求める。そこで、さしもに兇悪だったジャン・ヴァルジャンも、崇高な僧正の人格に打たれ、改悟してモントルーイ・スチュール・メイルの町へ行き、マドレーヌと称して新しい清い生活に入る。次第に富祐にもなり人々からも尊敬されはては、たっての勧めに市長に就任し、工場を営む傍ら慈善事業を怠らなかった。彼はある時我が工場の女工の一人ファンティーヌが聞くも憐れな事情から渝落の路に入ろうとして捕縛されたのを救って病院に入れてやる。哀れの女は今はの際に今テナルディーエの許に預けてある、我が子コゼットの世話を呉々も頼んで世を去った。頃しもあらぬ男がジャン・ヴァルジャンとして裁判されるのを聞いて彼は敢然我こそ真のジャンと名乗って出る。職務の外に目のない冷酷無情の巡査部長ジャヴェルはかねて市長をジャン・ヴァルジャンと疑っていたが、かくと聞くと早速市長逮捕に向かった。しかしジャンはファンティーヌとの約束があるので跡を晦まし逃亡する。そしてテナルディーエの許で虐待されている少女コゼットをとり返しパリへ帰って世を忍びつ平和な生活に入って10年の歳月は夢と流れた。花の様に美しく天使の様に気高いコゼットは、温い人情を持った事のないジャン・ヴァルジャンに、如何に慰めと喜びを与えた事であろう。革命に志士で貴族の子なるマリユスはコゼットと恋仲となるが、彼の祖父が許さぬので絶望の余り革命に加わって、頃しも1832年の大革命起るや、彼は銃を執って戦った。密偵として革命軍中に入込んだヂャヴェルは捕えられ銃殺されんとした時、人もあろうにジャン・ヴァルジャンに救い出される。マリユスは重傷を受けて倒れたが、ジャンは彼を救けて苦心の末彼が祖父の家へ担ぎ込んだ。途中で出逢ったジャヴェルは先刻の彼が義気に感じて彼を見逃した。やがて傷の癒えたマリユスと、コゼットとの華燭の典は挙げられる。我が任務が了りしと思ってかジャン・ヴァルジャンはやがて崇高にして而も幸少なかりし彼の一生を終えて浄き長き眠りに入った。 |
レ・ミゼラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/15 12:01 UTC 版)
『レ・ミゼラブル』(Les Misérables)は、ヴィクトル・ユーゴーが1862年に執筆したロマン主義フランス文学の大河小説。原題 Les Misérables は、「悲惨な人々」「哀れな人々」を意味する。
- ^ 約2フラン、この時代は1フラン=20スー(鹿島茂著『「レ・ミゼラブル」』百六景より)
- ^ 当時と現在では物品により物価が異なるが、仮に食費基準で1フラン=2,000円として現在の価格に換算すると、20万円。
- ^ 脚注2.と同様に換算すると、300万円。
- ^ プティ・ピクピュス通り62番地にある常時聖体崇拝を基本思想とするベルナール派修道院。修道院がなくなった後、パリ改造によりリヨン駅になったとされる。なお、プティ・ピクピュス通りという地名はユーゴーの創った架空の地名である。
- ^ 脚注2.と同じように計算すると11万4000円。
- ^ 脚注2.と同じように計算すると、約12億円。
- ^ 1823年までは宿屋があり、マリユスが父の遺言に従って宿屋を訪ねた1827年には宿屋は破産していた。
- ^ ロピタル大通り (Paris-l'Hôpital) 50番・52番地にある巨大なあばら家。生活苦にあえぐ者ばかりが住まう。管理人はビュルゴン婆さん (mame Burgon)。ヴァルジャンとコゼットが一時住んでいた頃の管理人の老婆の後を継いだ。
- ^ 脚注2.と同様に換算すると、4,000万円。
- ^ 脚注2.と同様に換算すると、月2万円。
- ^ “Gamin”。ユーゴーの著作『クロード・クー』で初めて登場した、浮浪少年を意味するユーゴーの造語。
- ^ 脚注2.と同様に換算すると、月16万円
- ^ 脚注2.と同様に換算すると6000円。
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