レゲエにおける女性アーティスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:17 UTC 版)
「レゲエ」の記事における「レゲエにおける女性アーティスト」の解説
ジャマイカの女性歌手による最初のヒット曲は1964年のミリー「マイボーイ・ロリポップ」であった。男女の恋愛を主題とした歌が流行した1960年代後半のロックステディ期にはドーン・ペン(英語版)、マーシャ・グリフィス(英語版)、フィリス・ディロン(英語版)、ホーテンス・エリス(英語版)など多くの女性歌手がデビューしただけでなく、1965年にゲイ・フィート(Gay Feet)とハイ・ノート(High Note)レーベルを設立したソニア・ポッティンジャー(英語版)はプロデューサーとして1985年まで活動を続けた。しかし、思想的・政治的な主題が流行した1970年代のルーツレゲエ期に活躍した女性アーティストはボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのバック・コーラスとして活動したアイ・スリーズ(英語版)、ディージェイ・デュオのアルシェア&ダナ(英語版)ら少数であり、スラックネスなどのきわどい表現が流行した1980年代以降のダンスホール期においても女性アーティストが比較的少ない傾向は続いた。この理由としては主題の影響と共に、ジャマイカの教育には大きな男女逆格差があることにより、女性は音楽業界ではなく行政機関や民間会社の職に就くことが多いことや、伝統的にジャマイカの音楽業界は男性中心的であることなどが挙げられる。 しかし、前述の通り、1970年代後半にイギリスで生まれたレゲエのサブジャンルラヴァーズ・ロックはジャネット・ケイ、キャロル・トンプソン(英語版)、ルイーザ・マーク(英語版)、J・C・ロッジ(英語版)ら女性歌手が中心となって発展した。 1990年代以降のジャマイカではレディ・ソウ(英語版)、パトラ(英語版)、ダイアナ・キング、ターニャ・ステファンス(英語版)など、ディージェイと歌の両方をこなす女性アーティストが活躍した。また、ポップスターとして知られるグウェン・ステファニーやリアーナ、M.I.A.はレゲエやダンスホールを取り入れた音楽を多数発表している。なお、ラスタファリアンの女性アーティストはリタ・マーリー、シスター・キャロル(英語版)、クイーン・アイフリカ(英語版)などの例があるものの、極少数である。
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