メカニカルシール
軸をもった回転体の軸封部からの潤滑油、クーラントの洩れを、回転リングと固定リングとの滑りによって機械的に制限する多面シールのひとつで、高圧シール用として用いられるものをいう。シールハウジングに緩衝リングを介して挿入固定した固定リングに、軸とともに回転し軸方向に移動できる回転リングをスプリングで押し付けて、合わせ目をすり合わせて漏れのないようにする接触型シールである。シールの形式や材質は、軸封部の内側で使われている流体の種類や温度によって異なるが、特徴は漏れ量がきわめて少ない、軸摩擦部分がなく長寿命で信頼性が高い、ことである。
メカニカルシール mechanical seal
メカニカルシール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 17:22 UTC 版)
「シール (工学)」の記事における「メカニカルシール」の解説
メカニカルシールも液体を扱う機器の回転部に使用される。パッキン類の中では構造が複雑で取り付けに技術を要するが、正しく使用された場合液漏れは極めて少なく、摩擦が少なく、メンテナンスも極小に出来る優れたパッキンである。シールの機構は回転軸と一体になった回転環と、固定部に取り付けられた固定環が、軸に垂直な平面で接触している。回転環と固定環の接触面は非常に平滑に仕上げられて摩擦が少ない上、扱う液体自身が潤滑液として働く。二つの環はコイルバネによって一定の力で押し付けられており、増し締めなどのメンテナンスが不要である。一般に固定環には素材としてカーボンを使用し、回転環にはそれより固い素材を使用する。メカニカルシールの留意点として、試運転時といえども液体を満たさなければならない点が挙げられる。ドライ状態の運転は手で回す程度であれば問題ないが、機力による空運転は容易に焼きつきを起こす。
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