ブリッシュロック式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 01:17 UTC 版)
詳細は「ブリッシュ・ロック」を参照 ブリッシュロック式は、元米海軍中佐ジョン・ベル・ブリッシュ(英語版)が「高圧下における異金属同士には大きな静止摩擦力が働く」という自らの仮説に基づき考案し、1915年に特許を取得した遅延方式である。M1型以前の初期型トンプソンSMGに採用された。 遊底の左右側面には傾斜した溝が切られており、H型の真鍮製ロッキングピースがこの溝に嵌合する。遊底が前進した状態ではロッキングピースは下方へ位置している。 弾丸が発射され薬莢に押された遊底が後退を始める際、鋼鉄製の遊底と真鍮製のロッキングピースの間には摩擦が生じ、遊底に押されたロッキングピースが遊底の溝を上がりきるまで、遊底の後退速度は低下させられるとされた。 この方式ではロッキング・ピースの上下に大きな摩擦がかかるため、この部分に常時オイルを滴らせるための仕組みも同時に考案されていたが、埃や砂が付着し易くなるため、実際に装着された例は少ない。また、鋼に比べて真鍮は脆弱な素材であり、ロッキング・ピースは磨耗と破損から定期的に交換する必要のある消耗部品だった。 ブリッシュの仮説は科学的な根拠に乏しく、遊底とロッキングピースの間に予想されたほどの摩擦力は生じなかった。結局、ブリッシュロック機構は不必要な複雑さを以てボルトの重量を増したのみで、初期型トンプソンSMGも実質的にはシンプルブローバック方式で動作していた。 採用例: M1型以前の初期型トンプソンSMG
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