フェノチアジン系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 11:13 UTC 版)
1952年(昭和27年)にはじめて用いられた最初の抗精神病薬であるクロルプロマジンを含む、フェノチアジンを基本骨格とした群である。代表的な薬物としてはクロルプロマジン(商品名:コントミン、ウインタミン)、レボメプロマジン(商品名:ヒルナミン、レボトミン)、チオリダジン(商品名:メレリル)、フルフェナジン(商品名:フルメジン、デポ剤としてフルデカシン)、プロペリシアジン(商品名:アパミン、ニューレプチル)、ペルフェナジン(商品名:ピーゼットシー、トリラホン、トリオミン)などがあげられる。側鎖によって細分類されることがある。クロルプロマジンより強い抗精神病薬としてハロペリドールがある。 アルキルアミノ側鎖群 クロルプロマジン(商品名:コントミン、ウインタミン)、レボメプロマジン(商品名:ヒルナミン、レボトミン)などが含まれる群である。この群に含まれる薬物はα1遮断作用が強く鎮静作用、催眠作用が非常に強いため興奮、不穏の患者に用いられ、不眠の強い患者の睡眠薬としても用いられる。吐き気止めとしての作用も強いものが多い。非特異的受容体結合も強いため、抗コリン作用も出やすい。低力価抗精神病薬の代表であり、一日200mg程度の使用が一般的である。 ピペリジン側鎖群 プロペリシアジン(商品名:アパミン、ニューレプチル)などが含まれる。低力価抗精神病薬のなかでは力価は強い。錐体外路障害が弱く、抗コリン作用、起立性低血圧が多いのは他の低力価抗精神病薬と同様である。α1遮断作用は強いが悪心に対しては効果が弱い。 ピペラジン側鎖群 フルフェナジン(商品名:フルメジン、デポ剤としてフルデカシン)、ペルフェナジン(商品名:ピーゼットシーなどが含まれる。鎮吐作用が強いものが多く周術期の鎮吐薬としてよく用いられる。他のフェノチアジン系に比べるとかなり高力価であり高力価抗精神病薬としての特性をもつ。
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