パールのキイロショウジョウバエ飼育実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:31 UTC 版)
「ロジスティック方程式」の記事における「パールのキイロショウジョウバエ飼育実験」の解説
ロジスティック曲線を普及させたことで知られるレイモンド・パールは、ローウェル・リード(英語版)と共にキイロショウジョウバエの飼育実験を行い、この曲線を実証した。ロジスティック曲線が上手く適合する実験の具体的様子の例として、内田俊郎の著作をもとにしてパールらの実験を簡単に説明する。 パールが用意した環境は小さな牛乳瓶で、供給する餌にはバナナを磨り潰して寒天で固めイーストを少し振りかけたものを使用した。牛乳瓶の中にハエと餌を入れ、温度などの環境条件を一定にし、一定時間間隔でハエの個体数を調べた。 実験としては3種類の実験が行われた。 1つ目では、餌を始めに入れた後に餌を補給しなかった。このため、個体数が増加して一定となった後、急激に減少してほぼ全滅状態となった。 2つ目では、一定時間間隔で餌の継ぎ足しを行い、一定状態が保たれる結果が得られた。 3つ目では、一定時間間隔で新しい餌の入った瓶へハエを移し替え、食糧条件だけでなく、その他の環境条件も一定に保った。この結果でも一定状態が保たれ、ロジスティック曲線が当てはまるデータが得られた。 パールの元へ留学していた寺尾新もこのハエの個体群成長研究を行った。それによれば、ロジスティック成長の特徴である個体群密度上昇にともなう個体数増加率の低下は、死亡率の上昇よりも出生率の低下によって起こっていた。
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