ネオテニーと進化論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 04:41 UTC 版)
進化論においてネオテニーは進化の過程に重要な役割を果たすという説がある。なぜならネオテニーだと脳や体の発達が遅くなる代わり、各種器官の特殊化の程度が低く、特殊化の進んだ他の生物の成体器官よりも適応に対する可塑性が高い。そのことで成体になるまでに環境の変化があっても柔軟に適応することができるとされる。 たとえば脊椎動物の場合、それに近縁な無脊椎動物として重要なものにホヤ類などがあり、それらでは幼生で脊椎動物の基本に近い構造が見いだせる。このことから、そのような動物のネオテニーが脊椎動物の進化の始まりであったとの説が唱えられた。しかし、異論もあり、たとえばより似通ったナメクジウオに近いものを想定する説もある。また、そのような現生の動物にこだわらなければ、ホヤの幼生の様な姿の祖先的動物がいたと考えた方が簡単ではある。
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