ダブル・アクション・ペダル・ハープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 10:00 UTC 版)
「ハープ」の記事における「ダブル・アクション・ペダル・ハープ」の解説
現代の西洋音楽の、独奏やオーケストラ、室内楽、吹奏楽などで広く用いられているコンサートハープは、ダブル・アクション・ペダル・ハープである。これは、主に47本の弦を変ハ長調全音階で張り(半音低く調律された白鍵のみのピアノのイメージ)、7本のペダル(それぞれ3段階の位置があり、上から順にフラット、ナチュラル、シャープ)を足で操作することにより、各オクターブのハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロそれぞれの弦を同時に半音上げたり、全音上げたりできるようになっているハープである。全音階ハープを転調などに対応できるようにするため、楽器職人セバスチャン・エラール等により作られた。この仕組みにより、様々な調を演奏することができるが(調によっては異名同音的に)、どんなに熟練してもペダルの操作を全くの瞬時に行うことは不可能であるため、オーケストラなどでは2人で演奏することによって、ペダル操作の不完全さを補うことがある。また、ダブル・アクション・ペダル・ハープに代わる楽器として、半音ごとに弦が張られたクロマティック・ハープというものも19世紀に作られたが、結局は廃れてしまった。 音域は6オクターブ半を持ち、最高音は中央ハの3オクターブ半上の変ト(ペダルで嬰トになる)、最低音は中央ハの3オクターブ下の変ハである。いちばん高音から0オクターブ(2音のみ)、1オクターブ・・・7オクターブ(3弦のみ)と数える。弦には識別のために色が付けられており、各オクターブのハ(C)の音が赤、へ(F)の音が青(黒)となっている。 最低音の2弦(C1, D1)はペダルアクション機構を持っていない。演奏の途中にフラット、ナチュラル、シャープの調律を切り替えることは出来ず、いずれかの調律に固定しておく必要がある。最高音(G7)は、楽器によってペダルアクションが有効のものと無効のものがある。
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