タクシーの板ばねのゴム製ブッシュ破損多発と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:27 UTC 版)
「プリンス・セダン」の記事における「タクシーの板ばねのゴム製ブッシュ破損多発と対策」の解説
1952年(昭和27年)11月に、日本交通で大量にプリンス・セダンを採用した。 すると、サスペンションのばねのゴム製ブッシュ(たま/プリンスの会長の石橋正二郎が社主であったブリヂストン製)が破れるという不具合が多発した。 そこで、入社後、設計課長代理日村卓也からサスペンション担当を命じられていた桜井眞一郎は、毎日のように市谷の日本交通のタクシーの溜まり場に行き、タクシーの運転手らに叱られながら部品交換を行った。 桜井は、上手にブッシュを抜ける工具まで自作して対応したが、根本的な対策をするために、自らゴムの勉強を開始した。 桜井は四日市市の東海護謨工業(のちに東海ゴム工業、現在の住友理工)に毎月一回夜行列車で通い、同社の小林雄二という人物に話を持ち掛け、二年間二人とも無報酬で研究し、何とか破れないラバーブッシュを完成させ、それが自動車の防振技術に寄与した。当初東海ゴムではブリヂストンに対する気兼ねがあったが、これを機にプリンスは東海ゴムにだけはゴム部品を発注できることになったという。
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