スーパーセルの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 08:08 UTC 版)
「スーパーセル (気象)」の記事における「スーパーセルの特徴」の解説
オーバーシューティング・トップ(Overshooting top) かなとこ雲の平らな頂上部分からドームのように突き出た雲。上昇気流が対流圏界面を突き抜けて起こる。地上からはほとんど見ることができない。 無降水域(Precipitation-free base) 北半球中緯度では、スーパーセルに限らずほとんどの低気圧が、中心部の南側では降水が少ない。メインの上昇気流の直下、あるいは周囲からスーパーセルの中心に向かって風が吹き込む中心が位置しているからである。この地域では、地上からは大粒の雹や雨が見えなくても、上空では上昇気流によってそれらが浮遊していることがある。 壁雲(Wall cloud) 上昇気流と下降気流の境界域の近くに存在し、無降水域と降水域の境界でもある。暖かい上昇気流が下降気流による雨で冷やされた空気に触れて形成される。湿度が高く気温差も大きいため、雲はできやすく、上昇気流によってすぐ消える。雲は下降気流によって降りていくような形をしている。壁雲はスーパーセルに限ったものではないが、一部は竜巻の前触れとされている。10分以上持続する壁雲があるとき、壁雲の回りに高速で移動する雲の断片や断片雲があって上下に激しく移動しているときなどは竜巻が発生する恐れが高いとされている。 乳房雲(Mammatus clouds) 泡あるいはこぶのような形が並んだ雲。積乱雲の中の冷たい空気が雲の下の暖かい空気に入り込むときにできることがある。朝焼けや夕焼けに照らされると明暗が分かれて鮮やかに見えるので特徴的である。スーパーセルに限ったものではないが、発達した積乱雲や雷雨のときに見られる雲である。 降水域(Precipitation area) 最も激しく雨が降る地域。無降水域と降水域のあいだにはアーチ雲や塔状雲ができることが多い。高降水型のスーパーセルではメインの上昇気流域でも降水域となることがある。 フランキングライン(Flanking line) メインの上昇気流に引き寄せられた暖かい上昇気流に沿ってできる、積雲や積乱雲の列。
※この「スーパーセルの特徴」の解説は、「スーパーセル (気象)」の解説の一部です。
「スーパーセルの特徴」を含む「スーパーセル (気象)」の記事については、「スーパーセル (気象)」の概要を参照ください。
- スーパーセルの特徴のページへのリンク