スペルミジンとは? わかりやすく解説

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スペルミジン

分子式C7H19N3
その他の名称スペルミジン、Spermidine、N-(3-Aminopropyl)-1,4-butanediamine、(3-Aminopropyl)(4-aminobutyl)amine、4-(3-Aminopropylamino)-1-butanamine、4-Aza-1,8-octanediamine、4-Azaoctane-1,8-diamine、N-(3-Aminopropyl)tetramethylenediamine、3-Aminopropyl 4-aminobutylamine
体系名:4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブタン-1-アミン、N-(3-アミノプロピル)-1,4-ブタンジアミン、(3-アミノプロピル)(4-アミノブチル)アミン、4-(3-アミノプロピルアミノ)-1-ブタンアミン、4-アザ-1,8-オクタンジアミン、4-アザオクタン-1,8-ジアミン、N-(3-アミノプロピル)テトラメチレンジアミン、3-アミノプロピル4-アミノブチルアミン


スペルミジン


スペルミジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 00:38 UTC 版)

スペルミジン

スペルミジンの構造式
識別情報
CAS登録番号 124-20-9
KEGG C00315
特性
化学式 C7H19N3
モル質量 145.25 g mol−1
外観 無色固体
密度 0.925 g/cm3、液体 (25 ℃)
融点

22–25 ℃

沸点

128–130 (℃/14 mmHg)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

スペルミジン: spermidine)はポリアミンに分類される有機化合物で、細胞の生存、増殖、ミトコンドリアの機能維持に必須である。そのため、細胞内には豊富に含まれているが、加齢とともにその生体内濃度は低下することが知られている。

特徴

細胞代謝の際にRNAポリメラーゼの一種である酵素T7 RNAポリメラーゼを活性化するのに利用されることがある。

一酸化窒素合成酵素 (nNOS) を阻害する、DNAへの結合・誘発作用を持つ、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ活性を誘起する、などの特徴がある。DNA結合タンパク質の精製に利用することもできる。

スペルミジンはT細胞の脂肪酸酸化を直接活性化し、老化による抗腫瘍免疫の低下を回復させることが示されている[1]

利用

  • スペルミジンは、エレクトロポレーション(DNAが電気パルスによって細胞内に移入される)に使用できる。DNA結合タンパク質の精製にも使用できる。
  • スペルミジンはまた、塩化カルシウムとともに、遺伝子銃でDNAをマイクロプロジェクターに付着させるのにも使われる[2]
  • また、スペルミジンは心臓を老化から守り、マウスの寿命を延ばすことも報告されている[3]、 一方、ヒトでは血圧の低下と相関している[4]。また、オートファジーを誘導することによって、酵母、ハエ、ミミズ、ヒトの免疫細胞における老化の速度を低下させることも判明している[5]
  • スペルミジンは男性および女性の不妊に関与している可能性がある[6]。 妊娠可能な男性はスペルミジンの濃度が高い、不妊の男性よりも、とスペルミジンのサプリメントは、健康的なホルモンバランスの維持と酸化ストレスの軽減に役立つことが示されている[7]
  • スペルミジンはin vitroの分子生物学的反応、特にファージRNAポリメラーゼによるin vitroの転写によく使われる、ヒトRNAポリメラーゼIIによるin vitro転写、および試験管内での翻訳。
  • スペルミジンはDNAリン酸骨格の負電荷を中和し安定化させることにより、Taqを介したPCRの特異性と再現性を高める。

調整時における注意

無菌の溶液が必要な場合はろ過によって調製すべきであり、オートクレーブを用いてはならない。放置すると脱アミノ化を起こすので、凍結させて保存する必要があり、頻繁に新しい溶液を調製しなければならない。また匂いは男性の精液に酷似する。

関連項目

出典・脚注




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