概型
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数学における概型あるいはスキーム (英: scheme) とは、可換環に対して双対的に構成される局所環付き空間である。二十世紀半ばにアレクサンドル・グロタンディークによって導入され、以降の代数幾何学において任意標数の代数多様体を包摂し、係数の拡大や図形の「連続的」な変形を統一的に取り扱えるような図形の概念として取り扱われている。さらに、今まで純代数的な対象として研究されてきた環についてもそのアフィンスキームを考えることである種の幾何的対象として、多様体との類推にもとづく研究手法を持ち込むことが可能になる。このため特に数論の分野ではスキームが強力な枠組みとして定着している。
注釈
- ^ Schappacher (2007, p. 10) によれば、ザリスキーは1938年から自分流の代数幾何学の基礎を考え始めている。
- ^ ただし、Chevalley (1955) や Nagata (1956) でこの講演が参考文献としてあげられているわけではない。また Chevalley (1955) で考察されているのは体上の代数幾何学だけである。
- ^ K の k 上の自己同型群の意と思われる。
- ^ グロタンディークは永田の論文を知っていた。Dieudonné (1989, p. 305) 参照。
- ^ アンドレ・マルティノーのことと思われる。
出典
- ^ Schappacher 2007, p. 248.
- ^ a b c McLarty 2003, p. 13.
- ^ Schappacher 2007, pp. 252–253.
- ^ Weil 1962.
- ^ Weil 1962, p. vii.
- ^ Serre, Jean-Pierre (1999). “André Weil. 6 May 1906 — 6 August 1998”. Biographical Memoirs of Fellows of the Royal Society 45: 524. doi:10.1098/rsbm.1999.0034 .
- ^ 新訂版 数学用語 英和辞典, p. 90, - Google ブックス
- ^ Weil 1962, p. 68.
- ^ Dieudonné 1985, p. 65.
- ^ Weil 1962, p. xi.
- ^ Schappacher 2007, p. 276.
- ^ Weil 1949.
- ^ Weil 1949, p. 507.
- ^ The Grothendieck Festschrift, Volume I, p. 7, - Google ブックス
- ^ Serre 1955.
- ^ Dieudonné 1985, p. 102.
- ^ Serre 1955, p. 197.
- ^ Serre 1955, p. 233.
- ^ McLarty 2016, pp. 259–260.
- ^ Chevalley 1955.
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- ^ Nagata 1956.
- ^ Cartier 1956a, p. 1.
- ^ Cartier 1956a, p. 9.
- ^ McLarty 2003, p. 16.
- ^ Cartier 1956b.
- ^ Cartier 1956b, p. 18.
- ^ Grothendieck-Serre Correspondence, p. 25, - Google ブックス
- ^ Grothendieck 1960.
- ^ Grothendieck 1960, p. 106.
- ^ a b c McLarty 2003, p. 14.
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- ^ Serre, Jean-Pierre (1989) (PDF), Rapport au comité Fields sur les travaux de A. Grothendieck (1965), p. 4
- ^ Mumford, David (2009) (PDF), My Introduction to Schemes and Functors, p. 4
- ^ Dieudonné 1989, p. 306.
- ^ Kleiman, Misconceptions about KX, L'Enseignement Mathematique.
スキームの圏
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局所環付き空間の射を射とすると、スキームは圏をなす。 スキームからアフィンスキームへの射は、次の反変な随伴函手により、環準同型のことばで完全に理解される。全てのスキーム X と全ての可換環 A に対して、自然な同値関係 Hom S c h e m e s ( X , Spec ( A ) ) ≅ Hom C R i n g ( A , O X ( X ) ) {\displaystyle \operatorname {Hom} _{\rm {Schemes}}(X,\operatorname {Spec} (A))\cong \operatorname {Hom} _{\rm {CRing}}(A,{\mathcal {O}}_{X}(X))} が成り立つ。 Z は環の圏の始対象であり、スキームの圏は Spec(Z) を終対象として持っている。 スキームの圏は有限の積を持っているが、注意して扱わねばならない。(X, OX) と (Y, OY) の積スキームの基礎となる位相空間は、位相空間 X と Y の積にいつも等しいとは言えない。実際、積スキームの基礎となる位相空間は、位相空間の積よりも多くの点を持っている。例えば、K を 9つの元からなる体とすると、Spec K × Spec K ≈ Spec (K ⊗Z K) ≈ Spec (K ⊗Z/3Z K) ≈ Spec (K × K) であり、K はたった一つの要素しか持っていないが、Spec K × Spec K は 2つの要素を持っている。 スキーム S {\displaystyle S} に対し、 S {\displaystyle S} 上のスキームの圏もファイバー積の構造を持ち、ファイバー積は終対象 S {\displaystyle S} を持つので、このことから有限な極限を持つ。
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