概型
(アフィンスキーム から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 20:45 UTC 版)
数学における概型あるいはスキーム (英: scheme) とは、可換環に対して双対的に構成される局所環付き空間である。二十世紀半ばにアレクサンドル・グロタンディークによって導入され、以降の代数幾何学において任意標数の代数多様体を包摂し、係数の拡大や図形の「連続的」な変形を統一的に取り扱えるような図形の概念として取り扱われている。さらに、今まで純代数的な対象として研究されてきた環についてもそのアフィンスキームを考えることである種の幾何的対象として、多様体との類推にもとづく研究手法を持ち込むことが可能になる。このため特に数論の分野ではスキームが強力な枠組みとして定着している。
注釈
- ^ Schappacher (2007, p. 10) によれば、ザリスキーは1938年から自分流の代数幾何学の基礎を考え始めている。
- ^ ただし、Chevalley (1955) や Nagata (1956) でこの講演が参考文献としてあげられているわけではない。また Chevalley (1955) で考察されているのは体上の代数幾何学だけである。
- ^ K の k 上の自己同型群の意と思われる。
- ^ グロタンディークは永田の論文を知っていた。Dieudonné (1989, p. 305) 参照。
- ^ アンドレ・マルティノーのことと思われる。
出典
- ^ Schappacher 2007, p. 248.
- ^ a b c McLarty 2003, p. 13.
- ^ Schappacher 2007, pp. 252–253.
- ^ Weil 1962.
- ^ Weil 1962, p. vii.
- ^ Serre, Jean-Pierre (1999). “André Weil. 6 May 1906 — 6 August 1998”. Biographical Memoirs of Fellows of the Royal Society 45: 524. doi:10.1098/rsbm.1999.0034 .
- ^ 新訂版 数学用語 英和辞典, p. 90, - Google ブックス
- ^ Weil 1962, p. 68.
- ^ Dieudonné 1985, p. 65.
- ^ Weil 1962, p. xi.
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- ^ Weil 1949.
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- ^ The Grothendieck Festschrift, Volume I, p. 7, - Google ブックス
- ^ Serre 1955.
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- ^ Cartier 1956b.
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- ^ Grothendieck 1960.
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- ^ Serre, Jean-Pierre (1989) (PDF), Rapport au comité Fields sur les travaux de A. Grothendieck (1965), p. 4
- ^ Mumford, David (2009) (PDF), My Introduction to Schemes and Functors, p. 4
- ^ Dieudonné 1989, p. 306.
- ^ Kleiman, Misconceptions about KX, L'Enseignement Mathematique.
環のスペクトル
(アフィンスキーム から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/06 20:26 UTC 版)
抽象代数学と代数幾何学において,可換環 R のスペクトル Spec(R) とは,R のすべての素イデアルからなる集合である.通常ザリスキー位相と構造層をともに考え,それにより Spec(R) は局所環付き空間である.この形の局所環付き空間はアフィンスキームと呼ばれる.
注釈
出典
- ^ K. P. Hart; J. Nagata; J. E. Vaughan (2004). Encyclopedia of General Topology. Elsevier. p. 156. ISBN 0-444-50355-2。
- 1 環のスペクトルとは
- 2 環のスペクトルの概要
- 3 関連項目
アフィンスキーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 04:50 UTC 版)
環 A のスペクトル Spec(A) は以下のようにして局所環付き空間の構造を持ち、その構造も込めてアフィンスキームまたはアフィン概型とよばれる。Spec(A) の開集合 U に対し、 S U = ⋂ p ∈ U p c {\displaystyle S_{U}=\bigcap _{{\mathfrak {p}}\in U}{\mathfrak {p}}^{c}} は A の空でない積閉集合である。開集合 U に対してSUに関するAの局所化 SU−1A を与える対応は Spec(A) 上の局所環の層になり、OSpec A と書かれる[要出典]。この構造層OSpec A は、スペクトルの開集合の生成基 D(f) (f ∈ A) に対し A[1/f] を与える層として特徴づけられる。 A の素イデアル p に対して OSpec(A) の p における茎を考えることができるが、これはp における A の局所化 Ap と同型である。また、A の元 f に対して、環 OSpec(A)(D(f)) は A の f についての局所化 A[1/f] と同型になっている。 環の準同型 f: A → B が与えられたとき、局所環付き空間の射 Spec B → Spec A が次のようにして自然に定まる。底空間の間の連続写像は Spec B ∋ p → f−1p ∈ Spec Aによって与えられ、「構造層の間の射」 OA → f*OB は SU−1A → f(SU)−1B によって与えられる。 逆に、アフィン概型間の射 g: X → Y が与えられると、環の準同型 Γ(g): Γ(OY) = OY(Y) → Γ(OX) が導かれ、この対応 A → Spec(A) と X → Γ(OX) によって、環の圏と、アフィン概型の圏は圏同値となる。
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