サリネラ
サリネラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 02:25 UTC 版)
詳細は「サリネラ」を参照 サリネラ Salinella salva Frenzel, 1892は一層の体皮細胞が腸を取り囲む袋状の構造からなる2 mmほどの動物である。1属1種の単型である。 1892年Johannes Frenzelによりアルゼンチン、Cordova産の岩塩からつくった2%食塩水中に発見されたが、それ以来再発見されることなく、その存在が疑問視されている。体制が単一の細胞層からなるためvan Benedenの定めた中生動物とは性質を異なるため別の門とすべきという意見があり、サリネラを一胚葉動物 Monoblastozoa Blackwelder, 1963と呼ぶ研究者もいる。 現存する後生動物の体は簡単な体制のものでも基本的に内胚葉と外胚葉の2層の細胞層からなるが、Frenzelが記載したサリネラの体は一層の体皮細胞が腸を取り囲む袋状の構造からなる。背腹および前後の区別があり、背側の体皮細胞の外表面には剛毛がみられ、腹側の体皮細胞の外表面には繊毛が生える。腹部の前後端にはそれぞれ口と肛門が開口し、口の周囲には長いひげ状の感覚剛毛が生え、肛門周囲には長い棘状の剛毛が生えている。体の内腔は腸に相当し、その内表面全体には繊毛がみられる。生殖はもっぱら縦分裂による無性生殖だが、しばしば2個体が接合しシストを形成するという。このシストのなかの一部の細胞が遊離し、それから個体が形成されると考えられている。サリネラは多細胞動物であるが、Frenzel (1892)の描いたスケッチや個体が接合するといった生殖方法から繊毛虫 下毛類のスティロニキアが連想される。
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