ゲージ理論とは?

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ゲージ-りろん 4 【―理論】

ゲージ不変性満たすように構築される理論素粒子基本的相互作用を扱う量子電磁力学電弱理論量子色力学はすべてゲージ理論であり、さらにこれらを統一的に扱うゲージ理論(大統一理論)が展開されている。


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ゲージ理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/09/22 23:17 UTC 版)

ゲージ理論(ゲージりろん)とは、物理法則はゲージ変換に対し不変である、という理論である。このことを、ゲージ不変である、と呼び、それを満たす場の理論をゲージ場の理論と呼ぶ。ゲージ理論は現代物理学の原理となる理論である。

目次

ゲージ変換

「ゲージ (gauge)」とは、日本語では「物差し」のことである。「ゲージ原理」とは、時空の各点ごとに物差しの向きをかえて理論を記述しても運動方程式が変わらないという要求であり、それを満たす理論全般をゲージ理論と呼ぶ。

ゲージ不変性

場の理論を考える際、たとえば電子の場を考えるならば、そのスピンがどちらを向いているかを指定するために、まずどちらが x, y, z であるかを指定する必要があり、その上でスピンの x, y, z 成分を記述する。また、電子の場は複素数で記述するため、どちらが実軸でどちらが虚軸であるかを指定し、その上で場の実部虚部を指定することになる。このように、まず「ゲージ(物差し)を指定し」、その上で「値を指定する」。ゲージを取り換えると、スピンの成分は見かけ上変化するが、物理的実体としてのスピンは変わらないと思われる。理論が実際その条件を満たしている場合理論はゲージ不変だと言う。

ゲージ不変性は、大局的ゲージ不変性と局所的ゲージ不変性にわけられる。大局的ゲージ不変性とは、時空のすべての点で一斉にゲージを取り換えても物理が不変であるという要求で、最近の用法では単にこれは対称性と呼ばれる。

局所的ゲージ不変性とは、時空の各点で勝手にゲージを取り換えても物理が不変であるという要求で、近年はこれを単にゲージ不変性と呼ぶことが多い。以下ではゲージ不変、ゲージ変換をこの意味で使う。

ゲージ場

電子の場の理論を考えよう。どちらが実軸でどちらが虚軸であるかをとりかえることは、絶対値1の複素数をかけて位相をかえることに相当する。これをU(1)変換という。電子の場だけの理論をみてみると、時空によらない絶対値1の複素数を場にかけても理論は変化しない。すなわち U(1) 変換のもとで理論は大局的ゲージ不変である。

しかし、時空に依存する絶対値1の複素数をかけてみると、時空に対する微分があるせいでそのままでは理論は不変でない。すなわち局所的ゲージ不変ではない。しかし、ゲージ場を導入してその不変でない部分を吸収することができる。ゲージ場は、微小に離れた2点での物差し、ゲージを比較できるようにする働きがあり、それによって理論が局所的ゲージ不変になる。このU(1)ゲージ場を詳しく調べると、電磁場と同一視できることがわかる。

クォークの場は三つの成分を持つので、3 x 3 行列を掛けることに対して大局的にゲージ不変である。これはSU(3)変換と呼ばれる。これを局所的にゲージ不変にすることに伴うゲージ場がグルーオンであり、強い力を記述する。このゲージ理論が量子色力学で、非可換ゲージ理論の典型例である。非可換ゲージ理論は初めヤンミルズにより強い相互作用の理論として提唱されたが、そのときの形式は現代の量子色力学とはやや異なる。

また、中性子ベータ崩壊などを司る弱い力も、2 x 2 行列を掛ける SU(2)変換に伴うゲージ理論を含み、電磁場のゲージ理論と統合されるゲージ理論であることが知られている。歴史的にはトフーフトが電磁相互作用と弱い相互作用の統合が繰り込み可能なゲージ理論として可能であることを示したことによりゲージ理論の重要性が認識された。

スピンをはかる x, y, z 軸の向きをどちらにとってもよいということは特殊相対性原理そのものであるが、各点で時空の軸の向きを取り換えてよいと要求しようとする、すなわち一般相対性原理を要求すると、その対称性にともなうゲージ場が必要になる。それが重力場であると初めて指摘したのが内山龍雄である。

結局、自然界に存在する四つの基本的な力はすべてゲージ場であるということが知られており、ゲージ原理は素粒子物理の基礎となっている。

ゲージ場の歴史的起源

1915年に発表されたアインシュタイン一般相対性理論重力の理論として大成功を収めると、電磁気力をも、それと同様の考え方で、時空(宇宙)の幾何学的属性を用いて表現しようという試みが、アインシュタイン自身を含め理論物理学者や数学者の間で大きな課題になった。現在の統一理論の先駆的な試みである。そのひとつが1918年に発表されたH.ワイルのゲージ理論である。彼は各点で物差しの長さを変えても理論が変わらないことを要求して、電磁場を導出することを試みたが、実験とあわなかった。

しかし、量子力学以後、波動関数の位相のどこを0度とするかというゲージに理論がよらないことを要求することが電磁場にほかならないことが理解され、以後一般にゲージという言葉が使われている。

数学との関連

ヤンとミルズが強い力のゲージ理論を見つけたころ、数学でもほぼ同時にファイバー束の理論が整備された。これはゲージ場の理論と数学的に等価であることが徐々に認識され、その後の数学と物理の交流の元となった。

関連項目

参考文献

  • 一般ゲージ場論序説, 内山龍雄, 岩波書店 1987
  • The Dawning of Gauge Theory, L. O'Raifeartaigh, Princeton, 1997

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