カリフ職をめぐって
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 10:13 UTC 版)
「ハサン・イブン・アリー」の記事における「カリフ職をめぐって」の解説
父カリフ・アリーが現在のイラク南部の軍営都市クーファに没すると、当地のアリー支持者らはハサンを後継のカリフとして忠誠を誓い、アリーとカリフ職を争っていたムアーウィヤの脅威となった。ムアーウィヤは指揮下にあるシリア、パレスティナ、ヨルダンの指揮官らに自らの勢力につき、闘いに備えるよう申し渡す一方、若いハサンに対し、カリフ職継承を断念するよう書簡を送っている。ハサンにカリフ職継承を断念させることができれば、ムアーウィヤは内乱の危機を回避することができる。さらに戦ってハサンを屈服させれば、絶対的権力を手中にすることができるものの正当性に疑問符がつき、問題が尾を引いてしまうからである。 しかし、交渉は進まず、ムアーウィヤは6万と号される軍をハサンに差し向け、一方のハサンもこれに対して軍を送った。両軍はサバト近郊で対峙することとなる。 この緊張の時期、ハサンは共同体の分裂を憎み、支持者らに同意できないとしてもなおハサンの命に従うよう訴えたといわれる。これを降伏への手配りと捉えて、ハサンに反抗して刃をむける者もいた。ハサンは負傷したものの、忠誠を誓う兵士らによって守られた。これにより反逆者らを誅するを得たが、ほかにもウバイドゥッラーのようにムアーウィヤにつく指揮官もいた。
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