カテコールアミンの研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 04:01 UTC 版)
「ジュリアス・アクセルロッド」の記事における「カテコールアミンの研究」の解説
1949年にアクセルロッドは国立心臓研究所National Heart Institute(国立衛生研究所National Institutes of Health (NIH)に属する)で研究を始めた。ここで彼はカフェインの作用機構解明に取り組み、これによって交感神経系とその主要な神経伝達物質であるにアドレナリンとノルアドレナリンに関心を持った。この間彼はまたコデイン、モルヒネ、メタンフェタミンそしてエフェドリンの研究も指導し、LSDに関する最初の研究にも取り掛かった。博士号がないとキャリアを進められないと実感し、彼は1954年にNIHを休職してジョージ・ワシントン大学大学院に入学した。これまでの研究の一部を学位の対象とすることが認められたため翌年には修了した。1955年にNIHに戻り彼の最も重要な研究に取り掛かった。アクセルロッドは神経伝達物質アドレナリンとノルアドレナリンの放出、再取り込みおよび貯蔵に関する研究に対してノーベル賞を授与された。1957年にモノアミン酸化酵素阻害薬の研究過程で彼は、カテコールアミン系神経伝達物質はシナプスから放出された後単に働かなくなるわけではなく、シナプス前膜に再び取り込まれ、その後の使用にリサイクルされるということを示した。アドレナリンは不活性な形で組織に貯留され必要なときに放出されるという理論を彼は打ち立てた。この研究により後のセロトニン選択的取り込み阻害薬(SSRI、抗うつ薬で代表的なものにプロザックがある)の基盤が作られたのである。またアクセルロッドは酵素カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(カテコールアミンの分解に関与する)を発見し研究した。
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