カエサレアの図書館と師パンフィロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:53 UTC 版)
「エウセビオス」の記事における「カエサレアの図書館と師パンフィロス」の解説
初期キリスト教の代表的神学者オリゲネスと、その学統を受け継いだパンフィロス(英語版)の活動によって、カエサレアはキリスト教教育における一つの中心地になった。その死に際して、オリゲネスはその豊富な個人的蔵書をパンフィロスに遺贈し、パンフィロスによってカエサレアに図書館が設立された。オリゲネスの個人的蔵書は彼自身の著作の写本と彼の庇護者であったアレクサンドリアのアンブロシウスの蔵書も含み、パンフィロスも蔵書の蓄積に努めたので、3世紀の後半にはその収蔵数は30,000冊を誇るまでになっていた。パンフィロスはまた、オリゲネスの学校「ディダスカリア」に倣ってカエサレアに学校を設立したか、もしくはオリゲネスが設立していた学校を再建した。パンフィロスは「世界のあらゆるところから」聖書を集め、書物収集家として紀元前6世紀のアテナイの僭主ペイシストラトスや、エジプトのプトレマイオス1世の下で文化顧問官を務め、ムセイオンの設立に関わったと推測されているパレロンのデメトリオスと並び称された。オリゲネスの指導方法を受け継いで、パンフィロスも直接生徒を指導した。エウセビオスは、迫害時代について記す中で、カエサレアの殉教者たちの多くが、おそらくパンフィロスの下で、共同生活を送っていたことをほのめかしている。
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