イスラームの誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 20:38 UTC 版)
メッカ生まれでクライシュ族に属していたムハンマドは、610年に市の北東のヒラー山で神からの啓示を受けイスラム教を創始した。しかしクライシュ族からの迫害を受け、 622年にヤスリブ(現在のマディーナ)へムハンマドは逃れる。これをヒジュラといい、イスラム暦はここから起算される。マディーナ滞在時には、のちにメッカを聖地とするさまざまな決定が下されている。624年には礼拝の方向がエルサレムからメッカのカアバ神殿へと変更され、625年には巡礼がイスラム教徒の義務とされた。この間、バドルの戦いやウフドの戦いなどを経て、イスラム教徒は軍事的に優勢となっていった。628年には一時休戦協定が結ばれて初のメッカ巡礼が行われたものの、メッカの非イスラム教徒の攻撃によって完全なものとはならなかった。しかしその後もイスラムの勢力は成長を続け、630年にはメッカはムハンマドに降伏し、メッカを支配下におさめたムハンマドはカアバ神殿よりすべての偶像を取り除いた。これ以降メッカは聖地として尊ばれている。632年に行われた第4回巡礼のときに巡礼の方法や聖域の範囲などが定められ、現在の巡礼の祖形となった。
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