せやくいん

デジタル大辞泉

せやく‐いん〔‐ヰン〕【施薬院】

読み方：せやくいん

貧しい病人に薬を与え治療をした施設。養老7年（723）興福寺に悲田院とともに創設されたという。のち、病人・捨て子などをも収容した。中世に衰亡するが、豊臣秀吉が再興。やくいん。

江戸時代、特に江戸の小石川養生所の異称。

世界宗教用語大事典

せやくいん 【施薬院】

仏教寺院に設けられた薬院。貧病人に施薬し施療する施設。すでに飛鳥時代に四天王寺に設けられ、その後、興福寺などの諸寺にも設けられた。光明皇后の活躍は有名。中世衰えたが豊臣秀吉が再興。近世では江戸小石川の養生所がこれに代わる。発想の初源は仏教の慈悲による。→ 四天王寺　光明皇后　施療院